今度の金曜日、11日の夜から行われることに決まったMBCC流オクトーバーフェストに向けて、俺はジャガイモ料理の準備と練習に明け暮れていた。ウインナーは高ピーに当てがあるらしく、当日持って来てくれるとか。でも、問題はジャガイモなんだよなあ。
 如何せん今度の無制限飲みは果林の誕生会。果林の誕生会ということは何においても食べ物が一番大事。なんならお酒よりも食べ物の方を重視した方がいいんじゃないかって。当日使う食材はある程度カンパしてもらえるけど、練習は完全に実費だもんなあ。
 納得のいくものになるように練習とか開発とかってやってると、ジャガイモ消費量がとんでもないことになってて。でもって、試作品を食べるのもそこそこ大変で。まあ、それは慧梨夏や浅浦に味見してもらったりして冷蔵庫が圧迫されないようにしてるんだけど。

「本当に、お前もよくやるよな」
「何だかんだ言って、俺は自分の作ったモンを食ってもらうのが好きなんだよ。あっ浅浦、ちょっと味見てくれ。こっちがのり塩味で、そっちがカレー味」
「ん、美味い。そのまま食うには濃い目だけど、ビールと合わせるならちょうどいいと思う」
「オッケ、じゃあこれはこれで」