「おたま様〜! 大っ変…!」
「どーしたのアヤちゃん、先輩でも見つけた?」
「先輩は残念ながら見つかっていません!」
「じゃあどうしたの?」
「可愛いカップルいた〜、おたま様〜、コピー本作って〜!」

 突然アヤちゃんが「おたま様会いましょ!?」なんて連絡を入れてくるから、絶賛原稿中の部屋に招き入れますよね。部屋に入るなり崩れ落ちたアヤちゃんは、何かいろいろとろけたような顔をして、つやっつやしている。そう言えば、最近は部活の方で忙しくしてたんだっけ。
 アヤちゃんは外に出かける時もいいネタはないかアンテナを張っている。それはうちもだけど、やっぱり活動の基盤が星港市内だから母数が多いんですよね。地下鉄の中とかで見た物を、ニヤニヤして怪しまれないようにスマホを見てる振りしてメモったりしてるんだって。それはうちもよくやる。