「ぐー……」
「おーい、カン?」
「ずー……」

 うつらうつらと舟を漕ぎながら、カンはスプーンを握ったまま崩れ落ちそうになるのを堪えている。いや、もう半分寝てしまっているし、全然堪えきれていないんだけども。この調子だと授業は完全に寝てただろうし、そもそもこのままだとカツカレーに顔面からダイブしてしまうだろう。危ない。

「おい! 起きろ!」
「ふあっ」
「寝るなら寝る、食うなら食う。どっちかにしろ」
「食う。でもめちゃ眠い」
「また曲作ってんのか?」
「今は〜、作るっつーか、れんしゅ、ふぁ〜わ」
「ああ、音楽祭のな」