昨日から大石がバイトをしている向西倉庫で吊り札付けのバイトが始まった。製品に付けられた吊り札に不備があるということで、その吊り札を取り換えるという作業と、とあるカラーの製品に関しては付属品の紐が付いていないということでそれを付けるという作業もある。
 今日からはなっちと緑ヶ丘の1年生である高木君も一緒に働くことになっている。高木君は1年生だし、なっちは学科の都合で授業が多いとかで、昨日は来ていなかったんだ。大石の車で会社まで送ってもらって、作業小屋に入ると人材派遣の主婦さんのグループと学生グループに分けられた。

「――という感じの作業だな。この仕事の責任者は俺だけど、俺は他の仕事もあってこの部屋にずっといることは出来ねえから千景に常駐してもらう。何かあったら千景に言ってくれ。連絡を受け次第対処する。それから、仕事の流れについては朝霞が昨日やってるから大体わかってる。相談しながらでいいから午前中くらいで慣れてくれ」
「わかりました」