気付いたら、ゼミ室の流し台に見慣れぬ機器がある。機器と言っても実験器具のような物ではなく、ジャンル的には調理器具となるのだろうか。土台の上に透明なグラスのような物が立っている。
 それを観察していくと、電源ボタンのほかにモードを変更するようなボタンがある。透明なグラス部からも土台の上面を覗けたが、これは刃か。ほう、ミキサーのような物か。

「……リン、どうしたの…?」
「美奈。いや、これは何かと思ってな」
「私の、私物……」
「ほう」