主×従






(清康×新六郎/清康視点)









戯れに掬った細い顎。

「清康さま……?」

余の手がいつものように頭に置かれなかったのが不思議なようだ。
見上げさせたままに見つめてくる顔を覗き込む。
自分が此れの年の頃には既にもっと精悍だったような気がする。そうなろうとしていたからか。生まれついてのものかとも思う。
余という主があり慕い懐く事を許されている此れは、まだ甘く温かそうだ。

「新よ、」


奪おうか。この心を奪われた証に。



―――


新六郎のあどけなさにふと沸き上がる羨望と蹂躙してやりたい衝動にたぶん冷静に対処中な若き三河の雄。
強く賢く落ち着いてたおかげで14才頃でも24才くらいに見えてた10代だったことが時々ちょっと悔しいかもしれない清康様。
師弟感のある兄弟的な距離が理想な清新。




2019/06/18 00:13
(カテゴリ:松平/長坂/植村)

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