もう どこへも行きたくないよ 12.01.14

夏目友人帳新刊のおはなし。


そこそこネタバレかも。


西村、北本と出会った頃の夏目を描いた特別編に泣かされました。ぎくしゃくした夏目も久しぶりにみれましたが、3人の今を思うと微笑ましくなります。夏目はほんとに、この人たちと出会えてよかった。

本編の「連鎖の影」は、名取なしで的場一門と関わる夏目の、名取や的場を筆頭とする「祓い屋」という立場と、それに属さない自分とにはさまれた心境が浮き彫りになるおはなし。

「――まったく不愉快な奴だ。いつだって食ってやっていいんだからな」
「――うん」

いままでの夏目だったら、ここで「うん」なんて言うかどうか。言葉では語られていない心境の変化。

いままでで明らかに変化がみられたのが、夏目の人との接し方。妖ばかりと話していて、人とは意図的に関わらないように壁をつくっていた夏目は、今では人の方が関わりが強くなっている気がします。

やっとすべてを話せる友人ができ、すべてを話せるわけではないけれど、とても大事に思える人たちもできた夏目にとって、この関わりは重要なもので。

田沼や多軌、名取さんがいたからこその今の夏目であり、藤原夫妻や西村、北本たちがいるからこその今の夏目。

的場さんの脅かしを
「おれにはおれの、つながりかたがあるんです」
と強く意志を持ってはねのけたのも、今の夏目が友人や家族を大事に思えているからこそだなあ、と。

「自分のために これから自分が守りたいものをどう守れるのか 何とどう闘っていけばいいのか 知るために」

自分がどうなりたいのかがだんだんはっきりしてきた夏目。応援というより、もっと近くで見守っていきたい気持ちでいっぱいです。

ここまで親みたいな気持ちで主人公をみてきた作品ってないから、わたしにとって夏目友人帳はすごく大事な存在です。アニメも原作もこれからもずってたのしみにしてます。


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