2017.4.24 10:33 [Mon]
新・鬼ヶ島12
滝の近くの崖をスタスタと上がっていったドンベ…その場所は竹林だった。
「ドンベ気をつけるのよ〜」
当然、ヒカリに崖を上るのは不可能なので滝の光を見張っていた。
そしてドンベの方は、一本の切られた竹を見ていた。
刃物で切られたその竹こそ、実はヒカリが生まれた竹なのだが…ドンベには知る由もなく…
「とぉーー!」
落ちていた竹を武器にして遊び始めていた。
すると…
「シクシク…シクシク……」
どこからともなく、誰かの泣き声が聞こえてきた。
「ん…こ、こわくない…」
震えを抑えつつ、ドンベは周りを見渡した。
きゅっ…と、竹を握りしめて…
「
だれだ!?」
「えーん、えーん…」
鳴き声が大きくなったので、ドンベもその方角を改めて確認した。
「だれだ、おまえは?」
「僕は河童です…実は、ある方との約束で…滝が光ったら川を止めろと言われてました」
「ふん、ふん」
「だけど大事な、お皿を無くしてしまって…力が全く出ないのです…あぁ、どうしよう…」
「おさらだな?」
ニコっと笑顔を見せたドンベは、あっという間にヒカリの所に戻ってきました、
「ドンベ!良かった〜」
「ヒカリ!かっぱ!おさら!」
理解するまでしばらくかかったが、ドンベの言うことをヒカリは理解した。
「じゃあ、その皿を探せばいいのね?」
皿が見つかった場所は、月が出ていないのに水面に月が写った場所だった。
いくら確認のためとはいえ…ドンベが石を投げたときはヒカリも驚いたが、ドンベが持っていた竹で取る事ができた。
そして早速、ドンベは河童に皿を返してあげた。
「これやる!」
「きゃ〜っ!きゃ〜っ!こ、これ、これですよ!これ!私のお皿!ありがとうございます!」
喜び方がウザかったが、河童はドンベに何度もお礼を言って、川を止めに行った。
そして、ようやく二人は滝の洞窟に入る事が出来たのである。
「な…なにこれ…!?」
「おばけなべ…?」
続きます…m(_ _)m