恋は路傍の花

2016/09/30 13:55
星屑の日記


「よう!君がクウジョウ・ジョウタロウくんだね?」


承太郎「…あんた、誰だ?」

「あら…あいつと違って、無愛想なこって…俺のことジョジョから聞いてないのか?」

承太郎「…まさか…あんた…」

「そうそう、そのまさか やっぱり話してたんだな…」

承太郎「…ジジイにガキの頃から聞かされてたぜ…誰よりも誇り高く、誰よりも強く
義に生きた男・シーザー・ツェッペリ…」

シーザー「あれ!おれ、そんな風に話されてたの?てっきり、嫌なやつとか、女好きのせっそーなし、とか言われてたのかと思ってた…」

承太郎「…うちのジジイに会いに来たのか?」

シーザー「いいや、会いたいけど たぶん、あいつには俺の姿は見えないと思うんだよな…だから、君にお願いがあるんだ」→(手のひらからシャボン玉を一つ)

承太郎「…シャボン玉?」


シーザー「これをさ、ジョジョに渡してくんないか?大丈夫、波紋を練り込んであるから ジョジョの手に渡るまで割れないから」


承太郎「…おい、あんた…体が…」

シーザー「ああ、もう時間か…ジョジョに伝えてくれ、辛いことも多かったし、悲しいことも多かった…けど、お前に出会えて本当に良かった…って」→(霧の様に消え)

承太郎「…」


幻覚…だったのか?
しかし、手にはシャボン玉がある…


ジョセフ「おい、承太郎 何処に行っとったんじゃ 花京院も心配しておったぞ…おい、承太郎…聞いとるのか?」

承太郎「ん…ああ、すまねえ…じいちゃん…」

ジョセフ「!?いま、今、承太郎…わしのことをジジイじゃなくて、じいちゃんって…!」→(嬉しい)

承太郎「ああ…それより、これ、じいちゃんにって…」→(割れないシャボン玉を手渡し)


ジョセフ「…!?じ、承太郎…これは…」

承太郎「シャボン玉だぜ」

ジョセフ「いや…そういうことを聞いとるのではなく…」


シャボン玉から暖かな力を感じる


ジョセフ「…まさか…これは…」

承太郎「信じてくんねえなら…信じてくれなくてもいい…でも、さっき、シーザーさんに会ったぜ…じいちゃんに伝言だ…辛いことも多かったし、悲しいことも多かった…けど、お前に出会えて本当に良かった…ってな」

ジョセフ「…ふ…なんじゃ…あのキザ野郎め…その様子だと、カッコつけは健在のようじゃな…」


ジョセフの手の中にあったシャボン玉は小さな音を立てて弾けた シャボン玉の中には 向日葵の種が入っていた


ジョセフ「…また夏に育てるとするかのう…」

承太郎「…きっと喜んでくれるぜ」


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