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クロード・フランソワの事に触れて行く中で、前回 『ドナドナ』を紹介する流れとなったけれど‥ ドナドナを聴きながら、私は中学時代のことを思い出していた 中学時代、気がつくと私の隣に居て,何故か私のことを一生懸命に護ろうとしてくれていた仲の良い友人がいて‥ その心優しい友人が時々口ずさんでいたのが 『ドナドナ』だった 現在どうなのかは分からないけれど、熊本という土地は、少なくとも私が住んでいた頃は 男と女の性差がはっきりしていて、男はこうあるべき,女はこうあるべき‥ といったものが非常に強かった 私が上京し、大学生活の中でそういうものに縛られない価値観を見せつけられたのは とても早い段階だった‥ 大学2年の時に海外から招かれた講師に一定期間特別レッスンを受けさせて貰った時も、その声楽家の先生はハンガリーの女性で、レディーファーストで立ち振舞えない時はたしなめられて‥ それに対し、「ここは日本だ」と冗談で返して その方と笑い合った想い出もある 更に 大学卒業後、音楽の世界で仕事をして行く中で 色んな性の方達と出逢った 音楽の業界は、私の知る限り 性に関しては一般社会の常識より一歩二歩先の世界が展開している だから、セクハラなんてものを男女間で起きるものだなんて考えていると面食らう羽目になる (笑) 中学時代の私には全く想像も出来なかったけれど‥ ドナドナを口ずさんで私の隣にいてくれたあの友人は、ひょとしたら心が女性だったのではなかったかと‥ 彼の色んな所作や言動を思い出して私は今想う もし そうだとしたら‥ 当時の無知な私は その友を傷つけるような言葉も無意識に吐いていたかもしれないし、当時の熊本という土地で暮らすのは辛いことが沢山あっただろうなと‥ ドナドナを聴いた後、暫くクロード・フランソワの事も忘れて その友のことを長い時間考えていた 元気にしているだろうか‥ 幸せになっているといいな‥ |