〜波間のクラゲ〜
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2013/7/31 Wed 19:53
沖縄ニュース7/31A


話題:沖縄
【日米合意の限界露呈
オスプレイ岩国到着】

 山口県の米軍岩国基地に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが30日搬入され、普天間飛行場への追加配備に向けた準備が始まった。
米軍は安全性を強調したが、追加配備に対する沖縄県民の不安を懸念する県は配備に強く反対している。
一方、防衛省は岩国に追加配備機が搬入されたその日に、県が指摘していた318件の日米合意違反の飛行について
「違反は確認できなかった」とする調査結果を回答。
追加配備の素地を整えた格好だが、県幹部は
「住民が不安視する飛行が続いているのは事実」として国調査の不十分さと日米合意の実効性の限界を指摘する。

■「娘を乗せたい」
 「オスプレイは本当に安全で信頼のおける航空機。海兵隊が許すなら自分の3歳と5歳の娘を乗せて行きたいくらいだ」。
30日朝から岩国への陸揚げが始まった追加配備12機のオスプレイ。
指揮官となるラリー・ブラウン中佐は陸揚げ直後のオスプレイの前で時折笑みを浮かべながら語った。
 駐機場では折り畳まれていた翼が次々広げられ、隊員がオイルの確認など点検整備を開始。
沖縄での運用について担当者は
「必要な場合を除いては運用ルールに必ず従って飛行をしている」と日米が合意したルールや安全確保策を順守していると強調した。
 普天間へ向かう時期は明言しなかったが、周囲では31日にも始まる試験飛行に向け慌ただしく準備が進み、普天間への飛来が近い現状を強く印象付けた。

■認定は困難
 米軍飛行について
「合意違反の確証はない」とした回答について防衛省幹部は
「米軍に違反ではないかと指摘しても運用上必要と言われれば、認定することは難しい」と吐露する。
外務省幹部も
「違反が恒常的に行われているのであれば指摘できるが、いまの段階で違反だと断定できない」と語った。
「運用上の所要」という米軍裁量の壁を前に、運用の安全性確保を目的としていた日米合意の限界が浮かび上がる。
 追加配備について小野寺五典防衛相は
「丁寧に説明していきたい」と述べ、県民に配備への理解を求めるとともに、米側に合意順守を引き続き求めていくとの考えを強調した。

■「是としない」
 「このような調査結果は是としない」。
合意違反は
「確認できない」とする調査結果に県幹部はため息を漏らした。
「検証が『難しい』と言われれば、また指摘しても同じ結果になる。
追加配備後も、確認を続けないといけない」と語り、重ねて合意違反を指摘する必要性をにじませた。
 県の又吉進知事公室長は追加配備について
「遺憾としか言いようがない」とコメントした。
別の幹部は
「基地反対の県民感情を刺激する可能性もある」と述べ、
追加配備が強行されれば、普天間飛行場移設など他の問題に飛び火する可能性があると指摘した。
(村上和陽、問山栄恵、池田哲平)
記事更新日時: 2013年7月31日 09:55
【記事提供名称: 琉球新報】


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