話題:手料理*゚


ずっと泊まるのもB子に悪いかなと思い、夜勤dayの翌日から自宅に戻った神田です

ところがだね、逆に何故かB子がやってきた

大きなボストンバッグを持参して

「塾長ひとりだと大変だと思って」なんて言ってたな

確かに独りだと困ることは多いのだけど、不便さに慣れてしまえば、それなりにやっていけると思ってたんだよね

だけど助けてくれる人がいれば、それはそれで有難いし、他に考えがあったとしても、まあいいやと思って受け入れることにした

B子はB子で、俺といると飯に困らないんだとよ

材料さえあれば俺が色々作ってたから、次の飯の心配をしなくて済んでいたのだな

そして最後に食べた里芋の煮物がえらく気に入ったようで、それをまた作って欲しいと思ったらしい

B子は里芋の皮を剥くとき手が痒くなる人だから

里芋の煮物なんて簡単だからいつでも作ってやれるが、今夜は本マグロだ

本マグロはぶつ切りだったから、これを薄く切らなくてはならない

あとは酢めしづくりだな

すしのこも買ってきたので、これはB子に頼んだ

するとB子ちゃん、「お酢を使うんじゃないんですか?」と言う

夏ならよ、ウチワであおいだり扇風機使えるからいいけど、冬はこれでやると答えると、B子のやつ、いまいち納得してないようだった

なんでも実家のママはいつでもお酢を使っていたらしいんだな

俺はお前のママほど料理上手じゃないし、こっちの方が簡単なんだよ、と言うと渋々使っておった



出来た酢めしは完璧な味だった

味をみながら少しずつ加えていったので上手くできたのだけど

これにはB子が一番喜んだ

独り暮らしで酢めしを作ることはあまりないのだが、これなら簡単に作れそうだと言っておった

そしてこの人は魚の中でマグロが一番好きなんだな

それも赤身

中トロは俺にくれて、自分の酢めしの上にはなるべく脂の少ないのを選んで乗せておった




あとは水菜サラダと永谷園の松茸のお吸い物で今夜の飯の完成

今年一番のごちそうでござった



B子は「やっぱり1人より2人で食べた方が美味しいですね」と感想をもらした

確かに喋りながら食べるからか、食事の時間を楽しめるしな

作ってる時から喋ってるから、楽しくない筈がない

「お父様と妹さんが帰ってくるまで居ていいですか?」と言うB子に駄目と言う理由はなかった

B子は独り暮らしに慣れてるんだけど、豪州でうちのオヤジや妹と一緒に過ごして、楽しくなってしまったのだな

だから今でも誰かと一緒にいたいのだ

女の子の独り暮らしってのは何かと大変だから、まあ好きなだけ居ろよと思った神田でした



明日は里芋の煮物かな

この時期煮物は傷まないからいっぱい作ろう