話題:体調


弁当を買いに走った女子部員達が戻ってくる数分前に雑巾掛けも終わった

俺達も疲れていたが、女達の表情にも疲労の色が‥

(早く食わせて休ませなければ)

そう思った俺は飯を後回しにして、最後の手段にとっておいた車のエアコン消臭剤(ファブリーズもどき)を敷き布団と枕に吹きつける作業を始めた

本当はわずかな時間でも布団は日光にあてた方がいいに決まってるんだけど、この日は空気中の湿気が気になるレベルまで達していたので、どっちの方法をとるか迷ってるうちに時間がたっちゃったんだよね

だがこの吹きつけ作業が効果抜群だった!

安物だったからあまり期待してなかったのだが、カビ臭さがほとんど感じられなくなったのだ

(これで女達の寝床はオッケーだ)

安心したせいなのか、ここから俺の調子が悪くなっちゃってね‥

忙しかったり暑かったりで満足に寝られない日が続いてて、次の連休の軽井沢合宿に向けて体調をととのえようと目論んでいただけに、この日の出動は正直キツかった(>_<)

とにかく横にならなければ!と思い、用事があったら呼んでくれ、とだけエリに言い残して独り車へ

みんなが楽しく飯食ってる最中に、部屋で横になるのもどうかと思ってね



1時間ほど眠ったのかな、だいぶ回復した俺が家の中に戻るとエリ以外は全員寝てた

お前なんで起きてんの?と聞くと「だってお布団ないんだもん」と悲しげに言うんだよ

女用の布団は全部用意した筈だったので、おかしいと思って布団の数を数えていったら、俺がバッチリ臭いを消した布団の上で気持ち良さそうに寝てる男を発見!

すかさずサッカーボールキックをそいつの尻にぶち込み、そのまま何度も蹴って布団から追い出した

目を覚ました野郎に、それエリの布団だぞ、どけ!と言って布団を取り上げようとしたのだが、エリは「ゲコゲコの臭いが染み着いてるお布団なんてイヤ〜」だとよ

これはこの女の優しさかも知れないと思った

女子のどこかへ行きたいという気持ちを汲んで別荘を提供したまではよかったが、準備がうまく行かないために俺にガツンガツン怒られて疲れ果てたんじゃないか、眠いならそこで寝させてあげようってな優しい気持ちから軽く拒否したんじゃないかと

ゲコゲコは眠い目をこすりながら起き上がろうとしていたが、「まあいいや、その布団はやる、寝ろ」と言ってエリを連れて階下へ下りた


つづく


(次は事件発生)