17/12/19 00:29 (:本)
  アガサ・クリスティー『鏡は横にひび割れて』ミニ感想


今回のは近所のドロドロ噂話に揉まれていくうちに人間の本性を嗅ぎ分けて殺人事件を見抜ける能力がついたミス・マープルもので名作と言われてる話。

ミス・マープルの住む村もロンドンから電車で1時間だから、だんだん都会化が始まってきた。
ある日以前殺人事件があった立派なお屋敷に、アメリカから来た有名な女優が旦那さんと引っ越してきて、パーティをすることに。

マープルの友達のお婆さまもパーティに参加してみたら、そこで参加者の一人が毒殺されてしまった。
毒入りカクテルは元々女優が飲むはずのもので、被害者は誰からも恨みを買うような人物ではない。
被害者は運悪く死んだのか、もしくはそうじゃないのか。何故あんな目撃され放題の場所で犯人は毒を盛ったのか、そして女優の命を狙うものとは…?と謎ばかり。

ただお婆様は、毒殺が起きる直前の女優が被害者と話してる時に見た表情が妙に頭にひっかかっていた。
その顔はさながらアーサー王物語の一つシャーロットの姫君の悲劇を詠うテニスンの詩のようだったから。

『織物はとびちり、ひろがれり
鏡は横にひび割れぬ
「ああ、呪いがわが身に」と、
シャロット姫は叫べり』
を思わせるような彼女の顔…。
その表情の意味するものとは…?



添付はウォーターハウス作シャーロットの姫君で一番有名だろう絵とテニスンのシャーロットの姫君の詩の本。
参考までに貼っておきます。
シャーロットの姫君は赤毛のアンも白百合姫だかって名前で小川に小舟の中で横たわって演じてたロマンティックなお姫様らしい。


…おおっ、今回は犯人がカスじゃなかったよ!
( ゚д゚)
今日のはクリスティーの小説初の犯人に同情できるお話でした。
毎回犯人はカスなのかと勝手に思ってました。
代わりにカスは別にいました!ネタバレになるから言わないけどっ。

シャーロットの姫君の詩を華やかな女優さんに絡めてくるのもとても素敵。
犯人の動機と物悲しく余韻の残る美しい終わり方も印象的で、この話が女性に人気があるというのも納得しました。

クリスタル殺人事件という名でエリザベステイラーが主演で映画化してるらしいので、観てみたいですね。特にラストシーン、さぞかしいい感じになってるんだろうなぁ…。
(*´ー`*)
ホントギリギリ真相わかるまでがしんどいけど、分かった瞬間の鳥肌が立つので読む甲斐あるお話でした。

今度はポアロを読むどー!






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