*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋-完結・前編-』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
次から、『純血の殺し屋』の完結・前編です⇒
story.27:『本題へ』
真幸:「貴方は僕たちを集めて、なぜ、何の協力をしてほしいんですか?」
一条真幸くんからの質問に、僕は改めて本題を切り出すことにした。
福崎:「…僕にも復讐したい相手が"2人"いるんです。でも僕の場合、ただ復讐をするだけではダメなんですよ」
僕はスーツの胸ポケットから一枚の写真を取り出して、真幸くんに手渡した。
それは、水嶋さんを隠し撮りした写真だった。
その写真を、真幸くんから順番に十条隆志くんまでしっかりと確認してもらってから、隆志くんから僕の手元に写真は戻ってきた。
そしてもう一度、水嶋さんが写った写真を槐たちに向けて見せると、西原悠一くんが聞いてきた。
悠一:「その人は、誰ですか?
その人が復讐したい相手の一人なんですか?」
悠一くんが問い掛けると、槐たちも僕に視線を送る。
僕は、彼らと目線を合わせてから話を始めた。
福崎:「この人は、水嶋律さん。
僕が尊敬する刑事さんで…」
僕は一呼吸をしてから言った。
福崎:「…とある事件で、僕の復讐相手に、僕以上に裏切りを受けていて、まだその事に気付いてないんだ……」
武長:「どういうことですか?」
二条武長くん、他の槐たちの疑問に応えるため、僕は『廃倉庫未成年少女誘拐殺人事件』の真実を語り出した。
福崎:「僕は、山村若菜という女の子の危険を……里沙と真紀という双子の姉妹から知らされた」
隆志:「双子の姉妹って…」
槐たちは思い出した。
この状況に相対する前に出くわした2人の女性のことを。
福崎:「僕は…若菜と里沙と真紀のもとへ駆け付ける前に、この水嶋さんと彼の同期で駐在さんだった阿岐名葉月さんに助けを求めたんだ。
2人は"とある問題"の捜査をしていた途中で、ちょうど僕が向かおうとしていた廃倉庫を目指していたんだ……」
僕は、あの日の記憶を脳裏で辿りながら話を続けた。
福崎:「急ぎ足で、水嶋さんたちと廃倉庫へ向かうと……里沙と真紀の叫び声が聞こえてきた。
僕は水嶋さんたちを置いて、先に廃倉庫の中へ飛び込んだ…っ」
思い出すと、手から震えが出てきた。
福崎:「そしたら若菜が……殺されていたんだ。若菜と里沙と真紀以外にいた犯人グループの連中に。好きなようにされて…っ」
僕は呼吸と整えるために、深呼吸をした。
福崎:「はぁ…はぁ…っ」
呼吸を整えると、僕は話の続きをした。
福崎:「……僕は、困惑していた。
何で彼女が殺されなきゃならなかったのか、分からなかった。」
僕は、こう続けた。
福崎:「僕にとって彼女は、大切な…大好きな人だった……。
僕は、彼女を…大好きだった人を助けてあげられなかった。」
武長:「好きな人……」
僕がそう言うと、槐たち全員が真剣な面持ちで僕を見つめていた。
福崎:「好きな人を突然アイツらに殺されて、僕は絶望した…。
あの瞬間まで、僕は絶望することしか出来なかった…------------でも、それは突然起こった…」
僕はあの日の真実を語った。
福崎:「阿岐名さんが、水嶋さんや僕たちを守るために盾となって、奴ら側にあった拳銃で撃たれてしまったんだ…」
秋生:「拳銃…?」
九条秋生くんがそう疑問視すると、僕はその説明をした。
福崎:「そう…僕はその時に、奴らが拳銃を所持していたことを知ったんだ。
……水嶋さんたちは、嫌な予感としてその事を認識してて、僕と廃倉庫に向かう時に、『危険だから外で待ってて』と諭してくれていたんだ。」
そう説明してから僕は言った。
福崎:「水嶋さんたちは、"ある問題"を解決するために廃倉庫へ向かっていた。
それは、奴らが所持していた拳銃のことだったんだよ」
僕はそう言うと、話を続けた。
福崎:「阿岐名さんはその拳銃で撃たれた…。
水嶋さんは泣いてた…。泣きながら、もう訳が分からなくなっちゃってたのかもね……」
僕は、少しだけ阿岐名さんのことを話した。
福崎:「実は…阿岐名さんは同性愛者で、水嶋さんのことが好きだったんだ。
……水嶋さんは、その事をよく知っていたから『死んだら、付き合ってやらねぇぞ』って言った。
阿岐名さんはとても喜んで、2人は数秒の間だけだけど……心を通わせていたんだと思う…」
僕は、あの時の水嶋さんと阿岐名さんを思い出しながらそう話したが、またすぐに心が沈み出す。
福崎:「…だけど、阿岐名さんは絶命してしまった。水嶋さんは泣きながら叫び声を上げていた……。
『阿岐名、阿岐名!』って…。
だけど、阿岐名さんが目を覚ますことはもう二度となかった…」
僕がそう話すと、同情からか三条一貴くんが泣き出す。
一貴:「うっ…うぅ…っ」
一貴くんのその様子に、僕も胸を痛めた。
あの日のことを思い出すたびに味わってきた気持ちだった。
福崎:「……阿岐名さんが亡くなった後、水嶋さんが犯人グループに呼び掛けた。
『拳銃を渡さないと、こちらもそれなりの対応をする!』って。
水嶋さんは自分が所持していた拳銃を、犯人グループに向けたんだけど……」
僕は、正直に話した。
福崎:「水嶋さんも、犯人グループが所持していた拳銃で撃たれたんだ…」
真幸:「え?でも、さっきの写真は……」
福崎:「助かったんだよ、奇跡的に。
水嶋さんはあの事件で怪我を負って、意識を失いながらも生き延びたんだ…。
水嶋さんはね、僕たちを守ってくれたんだ。」
僕はそう言うと、話を続けた。
福崎:「水嶋さんが撃たれる直前、僕は身勝手にも……水嶋さんに奴らを撃ってほしいと…。
復讐してほしいと願ってしまったんだ…っ」
僕はまた、震え上がった。
福崎:「そんな僕の身勝手な思いのせいで、水嶋さんは僕たちの盾になって……しかも、自分たちを守るために……水嶋さんが…ッ……------------拳銃で、撃たれたんだ。」
僕はこの時、初めて涙を溢した。
福崎:「水嶋さんが撃たれた時、僕は、僕の代わりに水嶋さんに復讐してほしいと願ったことを後悔し、水嶋さんから拳銃を奪った。
犯人グループはそれに気付くと、また対抗しようとしてきたけど……」
拓斗:「!」
矢神拓斗や、他の槐たちが僕を見て硬直していた。
僕は話をすることに夢中で、自分がこの時どんな顔をしていたのか分からなかった。
福崎:「犯人グループは、既に弾切れだった……。僕はその事を認識した上で、犯人グループを撃ち抜いて、首謀者の一人を殺すことに成功した………」
気が付くと、目の前の槐たちも、僕の後ろにいたアートロたちも沈黙していた。
福崎:「僕は、しばらく頭の中が真っ白になっていた。
困惑していたんじゃない。ただ、優越感のようなものを感じていたんだ。
犯人グループの……奴らが血だらけで倒れているのを見て、心がスーッとしたんだ。」
僕はそう言うと、話を続けた。
福崎:「…僕が我に返ったのはその後、駆け付けた警察官の男性に肩を叩かれた時だった。
僕には、重大な真実があったんだ……」
勇人:「重大な、真実って…?」
四条勇人の問い掛けに、僕は自身の胸に手を充てて、彼らに重大な真実を告げた。
福崎:「僕の父が、警視庁の偉い人だったという真実だよ」
------------To be Continued...