Schwarzer Notizen

2021.9.11 Sat 13:17 :呟きと戯言
戻り川心中

何の気なしに、連城三紀彦先生の御本を読んだりしたもんだから、急に何も書けなくなる現象に陥る。

連城三紀彦先生は叙情的で主人公の心情の機敏を細やかに描く文章が特徴。
分類としてはミステリに当たる「戻り川心中」という本を読み終えたのですが、言葉では言い表せない虚しさみたいなものが強く残ってしまい、撃沈。
恋愛小説とも受け取れる短編集で、情愛の果てに起きた凶行であるのに、それに至る経緯までの心情を鑑みれば止むなく……と理解を示す語り部に共感していく。そうやってミステリの種明かしをしていくお話。

1980年代に書かれたもので、舞台は大正時代。今とは世界の景色が違っていて、今は当たり前にあるものが何もない。
そういう情緒溢れる世界の中に、自分の表現したいものが描かれていたりすると、感動と同時に「書かなくていいか」というつまらない感情が芽生えたりするわけです。
とは言え、読むことも勉強なので出来るだけたくさんの作者の本を読みたいなぁと思うところ。

今年は割と良いペースで本が読めているので、このまま年末まで読んでいきたいですね〜。


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