スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

新しい気功教室の流れを考える・〔3〕

【新しい気功教室の流れを考える】〔3〕

三日目

?(実習)

●体感しながらのスワイショウ
●すわり金魚
●すわりイルカ
●気功流手当て(内臓編)

?(坐学)
*鍼灸、按摩、漢方などの東洋医学の基本は「気の調節」にある。
*気を調節する治療の中で、自分で行なう治療を「する治療」と言い、一般には運動療法や食事療法などと呼ばれているが、東洋医学では、これを気功と薬膳として、主要な二つの柱に位置づけている。
*従って、気功を定義するならば「自分で行なう気の調節法」だと言える。
*つまり、気功とは、自らの体内の気を巡らせていき、体内の気を調えていくための訓練法だということである。
*気功が「気の訓練」である訳だから、気というものの体幹がなければ訓練にならない訳で、気の感覚を体感していく訓練そのものが練功だとも言える。
*気の感覚の訓練の最初に位置づけられているものが「気のボール」を体感する訓練である。

?(実習)

●ふぁんそん掌
●気のボールづくり

和気の原稿/8月5日分です

タイトル
 気功治療への道案内/十日目

本文

◆原穴を覚えよう!

 梅雨が明け、猛暑のヒビが続いていた。
 おかげさまで我が愚庵は山辺にあり、障子や窓を開けているだけで木々の間を抜けてくる涼風が家の中を通り抜けていく。

 「先生、前回、私の場合は脾の原穴の太白というツボを教えてもらいましたが、佳与さんの時は、私の肝が弱いということで、何処か足のツボを使っていたようなんですが、五行全体の肝、心、脾、肺、腎のそれぞれに用いる経穴を教えて頂けませんか?」
 珍しく茉奈が先に口を開いた。
 「いま、している練習は、、私たちが脈を診て、最も弱いと感じる脈に応じた経絡の原穴に気を入れる練習で、これは証を決めてする本当の治療ではありませんからね…」
 すると、私の言葉に続いて佳与が口を開いた。
 「ツボから気を入れると脈に変化が起こるのを確かめるという練習をしているということですね?」
 「そうです。
 だから、最も弱いと感じられる脈だけを用いているので、その基本になる原穴だけを用いて練習しているんですよね。」
 「証を立ててする本格的な治療の場合には、用いるツボも違うということですか?」
と、茉奈が訊いた。
 「そういうことになりますね。
 でも、その段階に行く前に、いまの私たちは、脈を診て、弱い脈、つまり、虚の脈を見つける、そして、弱い脈に相当する経絡のツボから気を入れる、気を入れると脈が調われるという一連の作業を通して、脈を診る技術と、気を入れる技術を高めていくことに取り組んだ方が良いと思うんですよね。」
と、私は告げた。
 佳与が手を挙げた。
 「原穴は、練習に用いるだけですか?」
 私は応えた。
 「ちょっと難しいですが、経穴には、一般のツボと五行穴というツボ、5要穴という三種類のツボがありましてね、そうですねぇ、電車で言えば、特急しか止まらない駅、急行なら止まる駅、どれでも止まる駅みたいな感じで、かなり大事な経穴群、少し大事な経穴群、一般の経穴群という具合に、ツボにも色々な役割があって、いま私たちが勉強している原穴は、各経絡の中で、補にも瀉にも用いて良い基本になる優れもののツボなんですよ。」
 私が言い終わると、佳与が、
「あのー、先生、まだ原穴、習ってません。」
と、笑いながら言った。
 「そうでした、そうでした。」
 そう言って私はホワイトボードを取り出し、次のように記した。



肝 →太衝
心 →神門
脾 →太白
肺 →太淵
腎 →太谿
心包→大陵


 「では、この六つのツボの場所を覚えましょうか。」
 そう言って、私は説明に入った。

 説明についてはみなさんにわかりやすくするために、会話形式をやめて、まとめて書かせて頂きますね。

1、肝の原穴→太衝(たいしょう)
*足の甲側で、親指と第二指の骨の間を撫で上げてきて、二つの骨が合流するところにぶつかったところ。
*骨と骨の谷間。

2、心の原穴→神門(しんもん)
*掌側の手首の小指側で、手関節に出来る横紋の先端にあたるところ。
*手根部の小指側にある少し尖った骨の下際。

3、脾の原穴→太白(たいはく)
*足の親指側の内側で、親指の根っこにある丸くて太い骨の後ろ側の凹んだところ。
*親指の中足骨(足の甲にある細長い骨)の内側の下縁を指に向けて撫で下ろしていって、太い骨にぶつかったところの凹み。

4、肺の原穴→太淵(たいえん)
*掌側の手首にあり、脈を診る時に人差し指の当たるところ。
*寸の脈である肺と心を診るところ。

5、腎の原穴→太谿(たいけい)
*足首の内側にあり、内踝とアキレス腱との間にある凹み。

6、心包の原穴→大陵(だいりょう)
*掌側の手首にある横紋の真ん中。
*手首に縦に走る二本のスジ(腱)の間。

 「では、今から、また二人で組んで、脈を診て、最も弱いところを見つけ、今日は、その経絡の原穴だけではなく、虚にあたる経絡の相生的に母にあたる経絡や相剋関係にあたる経絡の原穴などにも気を入れて、それぞれに脈の変化を診てみる練習もしてみましょうか。 
 そう私は提案した。
 「ということは…」
と、茉奈が目だけを上に向け、かんがえながら言った。
 「例えば、脾が虚だと診た場合、脾だけでなく、脾の母に当たる心や脾の相剋にあたる肝の原穴にも気を入れて脈の変化を診てみるということですね? 
 すると、
「それ、私、まだよくわかんないから、茉奈さん、また教えてね。」
と佳与は言って、さっさと横になったのであった。

新しい気功教室の流れを考える・〔2〕-2

【新しい気功教室の流れを考える】〔2〕-2

二日目−2

?(実習)

 体感(内観)しながらのスワイショウ(前後のハンガースワイショウ)
*受動的な動きの感覚と皮膚の感覚の体感、即ち、
?大胸筋の動き
?肩関節の中の腕の付け根の動き
?肩甲間部と肩甲骨の動き
の三つの部の体幹までとする。
*終わり方に注意する。
 肩や腕の力を抜いて、故意に動かす訳でも故意に止める訳でも無く、独りでに止まるのを待つようにする。
 動きが終わった後に出て来る全身的な皮膚感覚や体内感覚を充分に体感してから、更に肩の力を抜きながら膝を緩め、腰から沈んでいくように体重を真っ直ぐに踵に降ろしてから、手を擦ったり足踏みをして終わる。

?(坐学)

?
 手(ショウ)を捨てる(スワイ)というスワイショウの言葉の意味。

?
 すわり金魚同様に、体壁系の脳の働きを弱めるために筋肉や皮膚の動きを体感していく。

?
 脳の働きが弱まって来ると、体内の状態をコントロールしている自律神経が副交感神経優位になり、末梢の血管も膨らんできて、その結果として手足の指や皮膚が温かくなってくるので、その感覚が現れるまで続けた方が良い。

?
 肩の力が抜けて足腰がどっしりした状態を東洋医学的には「上虚下実」と呼び、これが所謂、肩の力が抜けている、肩肘を張っていない、足が地に着いている、肚臥据わっているなどと言われる「自然体」の意味であり、免疫力が高くなる方向に作用するので、立つ時は常に「上虚下実の自然体」になるように心掛ける。

新しい気功教室の流れを考える・〔2〕-1

【新しい気功教室の流れを考える】〔2〕-1

二日目
?(実習)
●すわり金魚とすわりイルカの復習


?(坐学)
?
 体性感覚への没頭によって体壁系の脳の働きが弱まり、その結果として、脳からのストレスに抑圧されていた内臓系の働きが復活し、内臓が自然な状態に戻っていく。

?
 背骨が緩むことによって、椎骨間の緊張が緩み自律神経への抑圧が取れて、自律神経も調えられていく。


?(坐学)
 内臓の位置関係の説明と内臓を調える募穴などの説明
*肺((気戸、中府)→心(だん中、巨けつ)→肝(期門)→腎(京門、腎兪)→膀胱(中極)→胃(中かん)→小腸(関元)→大腸(天枢)

?(実習

●気功流手当法(内臓編)

新しい気功教室の流れを考える・4

新しい気功教室の流れを考える】4

一日目・?

●すわりイルカの実習

?

?
 皮膚の感覚は五感の一つである触覚だが、それに用いられている圧点や温点などのセンサーを用いて自分の皮膚自体の感覚が体感でき、それは体性感覚として位置づけられ、「すわりイルカ」では、特に、胸腹部の皮膚を伸ばしたり緩めたりすることで、皮膚自体の感覚を体感する練習になっている。

?
 背骨の受動的な動きの感覚の体感と、皮膚の緩急の感覚の体感を通して体壁系の脳の働きは抑制され、自律神経は交感神経から副交感神経優位に移行してきていて、それは手や指の皮膚温の上昇、即ち、手がポカポカ温かくなってきていることで把握でき、この時点で体性感覚への脳の向け方である「意念」の用い方を体(脳)が覚えていっている。
前の記事へ 次の記事へ