【学び伝えるということ】

 先日、ある気功の教室において訊ねられました。
 「気功の先生になるにはどれくらいの年月がかかりますか?」
 僕は嬉しく思いました。
 理由を訊ねると、自分の治療(鍼灸治療)だけではなく、患者さんにも気功をしてもらって、自分から元気になることをしてもらいたいということでした。
 彼女は鍼灸師という立場があるからそんなことを思ったのでしょうが、そんな発想をする人は少ないんですね。
 大抵の人は、何を学んでも、それは「自分のため」であって、学んだことを他の人に伝えるなんて発想は余り持たないんですね。

 僕の場合、自分が身につけた技術も理論も、勿論、感動も、他の人に伝えることが楽しいというか、性格というか、とにかく「独り占め」にするのはイヤなんですね。
 気の感覚の心地良さは、みんなに体感してもらいたいし、体感するためにはどうすれば良いかといった理論や技も伝えたくなるんです。
 だから、自分が感動した癒しのスポットにも案内したいし、青空気功も高野山合宿もしたいんですよね。

 この、「自分だけが満足出来ればよい」という「独り占め思想」から「みんなにも体感してもらいたい」という「ひろがりの思想」こそが「ふぁんそん」の思想で有り、その思いの発展が、自分の人間的な成長としても必要なことなんだろうと思いますね。