彼の香りが好き。
彼女の香りが好き。
私たちに限らず、多くのカップルはそうだと思う。
けんちゃんに借りたTシャツをクンクン嗅ぎながら、それを抱きしめて寝ている私。
どうかしてると思うけど、
実際安心してよく眠れるから仕方ない。
『ニオイを嗅ぐという行動は、
遺伝子レベルで相性がいいかどうかを判断する行動なんですよ。』
そういえば、
娘が父親のニオイをを臭い! 感じるのは、
恋愛感情を持たないようにするためだとか何とか…
そんなことを聞いたことがあるなぁ。
今思えば、
かつて『夫』だった人…
彼のニオイを いいニオイだと思って嗅いだことはない。
そもそも相性はよくなかったのかしら…
今さらだけど、
だとしたら納得。
こんなにも遠い場所で生まれ育って、
こんなにも年齢が離れているけんちゃんと、
何故恋に落ちたのか謎だったけど、
彼は
『遺伝子が遠くて、相性がいいんですよ(´▽`)』
なるほど。
私たちは、
遺伝子レベルで 愛し合ってるってことね。
空港に向かう前に、
けんちゃんの部屋の中をチェックする。
ゴミ、コンセント、鍵…
ふたりで確認するのに、いつも何か忘れてるような気がするね。
きっと、
私を置いてくからだよ。
出掛ける前にお茶を飲んだ お揃いのマグカップは、
洗って丁寧に拭いて
食器棚に並べて置いてきた。
『忘れ物、ないね!』
そう言って、彼より先に靴を履いて玄関のロックを外そうとすると、
頭を引き寄せられた。
『けんちゃん、
口紅がついちゃう…』
カレンダーを眺めながら、
まだ一日しかたっていないことにガッカリしている。
もうすぐ、メールがくるかな…
『じゃ、
ちゃんとお留守番しててくださいね。
お土産買ってきますから(^^)
行ってきます!』
けんちゃんは、
私の手を握りながら優しく言った。
まるで子供に言い聞かせるように…
ギリギリまで一緒にいてくれて、
搭乗口の列の後ろの方に並んで消えてった。
もう、昔みたいにメソメソしない。
だって、
ちゃんと私の所に戻ってきてくれるから。
週末の学会発表のあと、
東京の大学などで資料見学して、
1年ぶりに実家に帰る。
3週間…
その間の淋しい時間は、
借りてきたけんちゃんのTシャツが埋めてくれるだろう。
会えなくなるのは淋しい。
いつも近くにいたい。
ぁ〜 眠れなかった(-ω-;)
しんど…
もう少ししたら準備しなきゃ。
出勤前に、
けんちゃんのお見送り。
行きたくな〜い(´・_・`)
昨夜けんちゃんに、
『何時頃に行こうか』って聞いたら、
『クンクンして、ねーさん補給しなきゃならないから
早めに来てください(´▽`)ノ』
『クンクンタイムは、10分ほどあればいいかな?』
『イチャイチャもしたいから、もっと早く(´・_・`)』
そんなにイチャイチャしてたら、
離れるのツラくなるじゃないの( ̄。 ̄;)
ばか〜!