prof:bkm:
30代/二次元/メンタル/お洒落
障害者とその家族
21:38 2015/1/26
話題:今日の授業

今日学校で身体障害者の男性Aさんとその家族に密着したドキュメンタリーを見ました。Aさんは20代。養護学校を卒業後、家に引きこもるようになり、次第に筋力が低下していったそうです。以前はぎゅっと掴めていたボールも掴めなくなり、自分を恥ずかしいと思うようになります。「このままじゃ、だめのだめのだめのだめ人間になってしまう」Aさんは一念発起し、作業所へ通い始めました。

Aさんの意識を変えたのにはもうひとつ理由がありました。中学3年になる妹さんの存在です。妹さんは進路を考える年頃になるにつれてAさんの事を強く意識するようになり、いつかは私が兄の面倒を見なければならない、将来の事を考えると不安で仕方ない、と涙ながらに胸の内を語るのです。それは一見カメラマンと妹さんだけの内緒話に見えましたが、Aさんはすべて感づいていました。

「自立して、妹のB子をのびのびさせてやりたい」
Aさんは家を出て、施設へ入る事を希望するようになります。言語障害があるので一語一語を噛みしめて話すような独特のテンポで、こんな事を話していました。「俺に、できる事なんて、たかが、知れているけれど、ここに居たら、だめだから、進まないといけないだから、だから、俺は、進もうと思う」。 
 
わたしは昔観た野島伸司さんのドラマ『聖者の行進』を思い出しました。石田壱成さん演じる知的障害者トワもまた、自分が家族にとって迷惑な存在になっていると思い、自ら作業所での生活を望むのです。そして一度は作業所を抜け出して自宅へ戻るのだけど、そこで家族みんなが幸せそうに暮らしているのをたまたま目撃してしまい、また作業所へ帰ろうとするんですよね。

自分がいる世界よりも自分がいない世界の方が優しい事に気付いたとき、その本人はどんな思いなんでしょう。ドキュメンタリー映像を観ながら、何度も涙がこぼれそうになりました。生徒さんの中には鼻をすすっている人も居ました。

拍手してくれた方々、どうもありがとう。拙い文章を読んでもらえてうれしいです。

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