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so sweet《東西・甘め・R-15》

親が親戚の家に泊まりに行くというので西谷に泊まりに来ないかと誘ったら、二つ返事で返ってきた。
正直誘うのは緊張したけれど、西谷の嬉しそうな様子にそれも吹き飛ぶ。
お互い学生の上、部活に明け暮れる日々。
二人で過ごす時間はとても貴重だ。


部活の後そのまま二人で俺の家に帰り、夕食をとった後で順に風呂に入る。
髪を丁寧に乾かしていたら、思ったより時間がかかってしまった。
少し早足で二階の自分の部屋へと戻る。

「お待たせ、西谷!遅くなってごめん!」

ドアを開けるとベットにこんもりとした小さな山が一つ。
覗けば、西谷が穏やかな寝息をたてていた。

「西谷、寝ちゃったの…?」

頬をつついてみても、少し顔をしかめるだけで起きる様子はない。
仕方がないので、ベットに腰かけて寝顔を見つめる。
大きくて強い目は閉じられ、静かで幼さに拍車のかかった顔。
そっと髪を撫でれば、いつものワックスで固められた時とは違うサラサラとした感触が気持ちいい。

「…何か別人みたいだなぁ…」

小さく呟いて、笑う。
思ったより睫毛も長いな…。
殆ど無意識に瞼へキスを落とす。

「何してんだ…俺…!」

急に顔に上がった熱に我に返り、離れようとした瞬間

「!?」

細い腕が首に絡み付き、引き寄せられる。
目の前の状況を把握する前に、唇に柔らかい感触がした。

「遅いですよ、旭さん」

満足そうにいたずらっぽく笑う西谷。
…やられた!
でも、このままっていうのも何か悔しいな。

「旭さ…?」

そのまま西谷を押さえ込み、荒々しく口付ける。
驚いて薄く開いた隙間から舌を滑り込ませた。
舌と舌を絡ませ、口の中を好きに掻き回して翻弄する。

「んんぅ…!ふぁ…!」

西谷の体からくたりと力が抜けた所で解放すると、潤んだ目が下から睨みつけてきた。

「旭さん…ズルいっすよ…!」

「これであいこ、な?」

耳元で囁けば、西谷の体がビクリと震える。

「何があいこですか…!責任、取ってください…!」

「いいよ、西谷の望む通りにしてあげる」

首筋を甘噛みしながら言ったら、調子に乗んなと思い切り頬をつねられた。



**************

甘い君との 甘い時間



珍しく強気な旭です



I love you《東西・甘め》

旭さんが照れ屋なのもヘタレなのも知ってる

そこも含めて全部好きだけど

たまには旭さんから『好き』って聞きたいのは俺のワガママですか?



「じゃあ、解散!気をつけて帰れよー!」

「お疲れっしたー!」

大地さんの号令で部活が終わり、皆それぞれ着替えたり荷物を纏め始める。
俺は一番先に終わって、旭さんの所へ駆け寄った。

「旭さん、一緒に帰りましょう!」

「うん、いいよ。ちょっと待ってて」

旭さんの準備が終わるのを待って、二人で外に出る。
もうとっくに日は沈み、辺りは暗い。
少し冷たい風が部活終わりの体に心地良かった。

「で、その時の龍がすげぇ顔してて!」

「それは田中も災難だったなぁ」

他愛のない話をしながらも、旭さんの空いている左手が気になってきゅっと握る。
旭さんの体がビクリと震えた。

「にっ…西谷!?」

「動揺し過ぎです!いいじゃないっすか、誰も居ないし」

「それはそうだけど…」

あーあ、耳まで真っ赤。小学生かよ!
旭さんのそういうとこ可愛いって思うし、好きだけど。
でも、たまには旭さんの言葉やアプローチだって欲しい。

「旭さん、俺の事好きですか?」

「え…ええええええ!そんな、いきなりっ…」

さらに真っ赤になる旭さん。
そんな事お構いなしに、さらに押す。

「どうなんですか?」

じっと見つめれば旭さんはオロオロと視線を泳がせ、ふと何か思い付いたように空を見上げた。

「…月が綺麗ですね」

「…は?」

何でいきなり、月?
ポカンとしていると、旭さんは一瞬目を見開いた後困ったように笑った。

「何笑ってるんですか!俺は真剣に…!」

「いや、茶化すつもりはなかったんだけど…。そっか、ごめんね」

一人で納得している旭さんに優しく頭を撫でられ、次の言葉が出てこない。
こういうの…ホントにズルいって思う。
結局うやむやになったまま、その日は終わった。


「どうしたの?西谷。今日は難しい顔してるな」

「あ…スガさん…」

ストレッチを済ませて自主練していると、スガさんがタオルと飲み物を持ってきてくれた。
お礼を言って、スポーツドリンクを喉に流し込む。
冷たくて気持ちがいい。

「西谷が悩み事なんて珍しいね。俺で良ければ、聞くよ?」

「実は昨日…」

昨日の旭さんとのやり取りを話すと、スガさんは吹き出して笑いだした。

「あはは!旭らしいなぁ」

「笑い事じゃないっすよ!確かに旭さんは照れ屋って知ってますけど…」

「いや、そうじゃなくてさ。旭って意外とロマンチストだから」

「え…?」

意味分かんねぇっていう俺の顔を見て、スガさんがいたずらっぽくニーッって笑う。

「あのね、西谷。『月が綺麗ですね』っていうのは有名な漱石の意訳でさ、『I love you』って事なんだよ」

「!!」

それを聞いた瞬間、俺の顔は昨日の旭さんより赤くなった。



**************

俺、死んでもいい!


ベタなんですけども、これを東西で書きたかったんです…!

シンメトリー《東西・甘め》

東峰旭と西谷夕

184.7cmのウイングスパイカーと159.3cmのリベロ

一月一日と十月十日

ガラスのハートとゲリラ豪雨


『お前らは本当に対極だよな』

周りからもそう言われるし、自分でもそう思うけど

でもそんな2人がこんな片田舎の学校で出会って、バレーを一緒にやってるなんて

運命じゃないかって思うんだ



俺と旭さんはよく正反対だって言われるけど

そういう方が繋がれば強いんだ!

ほら、磁石とかだってそうだろ?

それに全部が反対じゃない


『好きだよ、西谷』『好きです、旭さん!』





**************

だから 何があってもきっと大丈夫


東西は本当に対比が綺麗ですよね…!

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