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繰り返し

一輪の花を眺めて
想うはあなたの憂い顏

空は遠く
海は深く
私は地を蹴って
探したけれど

あなたはもういない
あなたはもういない

一輪の花を眺めて
想うはあなたの憂い顏
化身となったのならば
愛でるもまた一興

そっとキスをした

崇拝

明るさは魅力的だった
奔放なところも素敵だった
けれど誰よりも真面目で
どことなく寂しげで
儚いとはまた少し違うけど
触れたら消えそうだった

鈴色の声がする
夏の光を背負って
「 」は還ってくる
迎える準備は手短に
そわそわと落ち着かない
長い髪をさらりと靡かせ
挑発的な目で世界を視る
そんなあなたは楽しそう
そんなあなたが誇らしい

いくつになっても
変わらぬご愛顧
嬉しいよ、「 」

舞い踊る心の強さ

冷たい人、と思った。
私がどんなに他所で男を作っても、怒ることなく嘆くでもなく、いつも通りに接してくる。
私のわかりやすい嘘をわかっていて放ったらかしているのがわかる。
あなたの優しさは美しくて冷淡だ。
いっそのこと叱ってくれたら、憤慨してくれたら。我儘を承知で私は思う。
でも、それなら別れを切り出されるまで私は夜遊びを続けるまでだ。
あなたの美しいほどの「おかえり」は私を殺す。その冷たい刃で。
その美しさは例えるなら氷河。
それがある種の快感になりつつあることは、彼には秘密だ。

繋がり

君はいつも笑っていた
最期の最期まで
相反するように泣く僕を
しょうがない人ねと
慰めるように
少し寂しげに笑っていた

今夜も瞼を閉じれば思い出す
弾けるように笑う僕の愛妻
僕が仕事で遅くなっても
飲み会で遅くなっても
君は半分ねぼけながら
笑って抱き付いてくれた

眠たくて仕方ない朝
満員電車に揺られていると
窓の外に君を見つけて
名前を呼びそうになる
今はいない僕の最愛
ミニスカートをはためかせ
誘うように笑った君を
何度愛したことか

僕の思い出には
いつも君がいた
キツく結ばれた赤い糸は
たまに縺れたこともあったけれど
家族になる前も
家族になった後も
僕と君はずっと手を繋いでいた

耐え忍ぶ心の弱さ

彼女が他の男に現を抜かしているのは知っていた。
定期的に遅くなる帰り。
知らない香水の香り。
なにより嘘をつくのが下手な彼女の見え見えな言い訳。
それでも手放せない。
手放したくない。
友達や上司には「そんな彼女やめておけ、もっといい女はたくさんいる。」と言われるが俺にはそう思えない。
どんなに素行が悪くても、どんなに俺への愛が冷めていても、俺は彼女が好きだから。
切り捨てられるまで足掻こう。
もうたくさんだと言われるまでしがみつこう。
それくらい俺は彼女に夢中。
それくらい俺は辛抱強い。
それくらい、彼女は魅力的なのだ。
今日もいつもより遅い帰り。
なんと言い訳されるのだろうか。
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