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広告が…

お久しぶりです。京です。
更新内容はサイト内の方で告知しておりますし、よりリアルタイムでツイッターでのお知らせもできるのであまりここのブログを見ていなかったのですが…更新がないと広告が大きく表示されてしまいまして、またそれが色々障りがある見た目…
というわけでふらりとこちらに現れました。正直移転とか考えたくないのですが、より良い場所が見つかればそっちに移動してもいいかなぁ…やはり課金が必要かしら…
ともあれ、9年越しにようやくフリリクお応えできて本当に良かったです。大変お待たせいたしました。これからは春のオルスタに向けて漫画描いていきます。

ブレワイSS

くっそ楽しかった割に創作してなかったブレワイで、前々から書きたかった小話。

***

「先輩!」

花の咲くような笑顔で呼んで、こちらに向かって駆けてくる少年兵を、リンクは振り返る。少年兵とリンクはさほど年齢が変わらないはずだが、騎士として城仕えをする年数は確かにリンクの方が長かった。

「●●●」

少年兵の名前を呼ぶ。彼は嬉しそうに目を輝かせた。

「僕の名前、覚えてくれたんですね!」

「まぁ…さすがに、こんなに何度も来られたら…」

ひょんなことから、魔物討伐の任で、この少年兵を助ける機会があった。それ以来懐かれて、城で姿を見かければ、声をかけてくるようになった。剣の教えも乞われた。

あまり、人付き合いは得意な方ではないリンクである。模範たれと自分を律している身にしてみれば、尊敬の眼差しを向けてくる彼の期待が重荷に感じることも少なくない。

とはいえ、城の者たちがリンクに向ける視線のほとんどが羨望と嫉妬であるのに対して、この少年兵のそれはただただ純粋に尊敬と感謝であり、それが苦手なはずの剣術指南を彼に授けようと思った一因かもしれない。

少年兵は、いまだ声変わりもしていない小柄な少年である。魔物討伐の任でリンクが助けるに至った経緯も、体格に似合わない騎士団支給の騎士の剣を振り回していたからで、リンクはまず彼に軽くて短い兵士の剣を使うように助言した。それが彼の才能を開花させたのか、小柄な体格を生かした立ち回りでみるみる戦果を上げて、それを恩に着た少年兵はまたリンクに教えを乞う…というような循環ができていたのだった。

少年兵は興奮した様子で続けた。

「今日は、先輩に剣を見て欲しくて。新調したんです」

「へぇ」

少年兵が腰のベルトから鞘ごと剣を外してリンクに手渡す。手渡されたままリンクは受け取り、それを鞘から抜き払った。やや短めな刀身が陽光にきらりと光る。その刀身の根元の方に、少年兵の名前が刻んであった。

「村の親族たちが、仕送りの礼に、と鍛冶屋に頼んだそうです。城の支給品には劣るかもしれないけど、それが嬉しくて…」

「……」

リンクに向けるのとはまた違った表情で、少し照れくさそうに少年兵は言った。思わず、リンクはまじまじとその顔を見つめてしまう。そうか、何故こんな少年が騎士団に入隊などしたのだろうと思っていたら、家族への仕送りのためだったのか、と妙に腑に落ちた気がした。

その無言の視線を叱責と捉えたか、少年兵はあっと声を上げたのち、ひどく恥じ入った様子で俯いた。

「す、すみません、子供のようにはしゃいでしまって、軟弱者と隊長に叱られてしまいますよね…」

「いや」

少年に配慮した訳ではなく、単純に思惑と外れたことを詫びる彼にリンクは首を振った。

「いい剣だ。君の体格に合っているし、君のことをよく知ったご家族でなければ用意できないだろう。大切にしてくれ」

「せ、先輩…!」

分かりやすく表情を明るくして、少年兵はリンクを見上げる。確かに、これを厳格な騎士団の仲間に言えば、故郷が恋しい子供の泣き言だとからかわれただろうし、それこそ隊長格に知れれば気高い騎士の精神に悖ると罰則さえあったかもしれない。

それに騎士道に何か影響を与えるものなのか、リンクには判断がつかないが。

少年兵はリンクから剣を返されると、一層それを大切そうに腰のベルトに提げ直した。

「はい…!きっと、これで厄災とも立派に戦ってみせます!」

「そうか、頼もしいな」

こんな少年兵に前線で戦わせるような事態にならないよう、自分がしっかりせねば、と鉄の仮面の下でリンクもまた決意を新たにするのだった。

 

*

 

ふと、そんな記憶を思い出したのは、朽ちたハイラル城で、待ち構えていた魔物が扱う武器の中にそれを見たからだった。短めな兵士の剣で、刀身の根元に文字が刻んである。だが、百年も前の話だ。兵士の剣は使い込まれて、既に刃毀れしており、根本に刻まれたその文字も判読できない。リンクも少年兵の名前を思い出せなかった。

だが、沸き上がるこの感情の名を、リンクは知っていた。激しい憤り。煮えたぎるような怒り。あの少年兵の家族、いやもしかすると村の者たちが彼の健康と出世を願って打った彼のための剣。それがどのような経緯でこの魔物の手に渡ったのか、リンクには想像するしかできない。だが、それが正当な理由であるはずもなかった。あの日、少年兵は城を離れるリンクに代わり、王城の警備に就くと嬉しそうに語っていた。

「その剣、返してもらうぞ」

蜥蜴のような魔物は大きな目玉をぎょろりと回転させて長い舌を突き出した。嘲笑っているかのようだった。

名前も思い出せない。死に際を知っている訳でもない。それでも彼の騎士たる矜持は知っているつもりだ。あの少年兵は、立派に厄災と戦うつもりだと言っていた。村の期待を一身に背負い、輝ける未来に顔を綻ばせていた彼が、こんな結末を望んでいたはずがない。

「それはお前が使っていいような代物じゃないだろうが」

 

***

そのあと兵士の剣はリンクが投げて壊しました。

拍手お返事

こんちは!京です!
未だオルスタの興奮冷めやらぬ今日この頃、はじめての通販なんかも開始しちゃったりして、趣味に充実しております。いや〜〜イベント楽しかった…神のご本をゲットして創作意欲もモリモリです。
追記より拍手お返事です。拍手ありがとうございます!
勢いで拍手お礼も変えたいなぁ
追記

オルスタお疲れ様でした&メールお返事

先日からわいわい言っておりましたオルスタ、無事参加できました〜〜!想像以上にいろんな方に手に取っていただけて、大変恐縮とともに嬉しく思っております!
初めてのサークル参加でしたので、色々ご不便をおかけしたかと思いますが、とても楽しい一日を過ごせました。スペースに遊びに来てくださった方、原稿の最中応援してくださった方、色々背中を押してくださった方、本当にありがとうございます。

次のオルスタは春だそうですね!

では、追記よりメールお返事です。
追記

サークル参加

来たる8/26、GOOD COMIC CITY25の某老舗ゲームオンリーALL STAR7に参戦いたします。
申し込み自体は前々からしていたんですが、やっと原稿が完成して入稿も済み、色々手が離れたのでようやくこちらでご報告です。
サンプルは支部の方に上げてあるのでこちらをご覧ください
漫画本 www.pixiv.net
小説本 www.pixiv.net
生まれてはじめての薄い本、右も左も分からず見切り発車で作ったので色々やらかしてそうですが、しかしとにかく楽しかった。何より自分が一番見たい展開になることが分かりきっている薄い本、誰より私自身が欲しい。現物はイベント当日にならないと私も手に取れないため、今から完成品がどのようなものになるか楽しみです。
サークル名は「徒歩5分」。ヨシヒロさんとの合同サークルで、ヨシヒロさんはシュルク中心漫画本、私はマルス中心小説本と亜空蒼騎士漫画本を持って行く予定です。スペースは東7そ55bにて頒布予定。価格をまだちゃんと決めてないんですが、あんまりお釣りの計算したくないんで、私サイドは両方500円になる気がします。予定ですが
追記
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