話題:子宮頸癌

一昨日新宿で行われたMSD主催の子宮頸癌シンポジウムに参加してきました。
内容は 「23歳で子宮頸癌になって」というタイトルでの体験談と、「子宮頸癌ワクチンについてのリスクとベネフィット」でした。

私の職場では子宮頸癌の精密検査を行っていますが、毎日2枠が一ヶ月先まで埋まっている状態。それほど癌一歩手前の方が山ほどいます。年齢も一番多いのは20代。子宮頸癌は20代女性の癌死亡2位とも言われてますからね。

毎日沢山の癌かもしれないという患者さんと接していますし、円錐切除程度の方は珍しくないというところですが、実際に20代で子宮頸癌になり、子宮全摘出手術をした方の話を聞くのは初めてでした。
その方がいうには、子供が産めなくなるということだけでなく、再発や転移に怯える日々、癌の後遺症で仕事が出来なくなる辛さ、迫り来る死と大切な人々に忘れられる恐怖が辛いと言うようなことを話されていました。

今日も10代、20代後半、30代で婦人科検診を受けたことがない患者さんに検診の必要性をお話ししましたが、みんな決まって「理由は特にない、必要性も理解しているがやりません」と。
患者さんの「検診したことがない、やる気もない」という言葉を聞くたび、シンポジウムでの話が頭を巡り、一人で悲しくなってしまいました。

性病検査も「受けたことがないけど私には必要ないのでやりません」とよく言われますが、実際調べてないから、なっているかさえもわからないからこそ言える言葉だと思うんです。

性病を知らずにかかっていて、気付いたら不妊症になっていたとか。検診受けずにいて自覚症状が出てから病院にいったら子宮摘出とか、考えてみて怖くないのかな?悲しくならないのかな?

結局私たちの言葉だなんて、「うざい、うるさい」くらいにしか思われなくて患者さんの心には響かないんだろうな。

クラミジアも淋病も自覚症状はない性病。クラミジアなんて5人に1人位の割合で陽性が出る。
結婚もしていないのにコンドームすら使わない性行為がいかに多いのかがわかる、悲しい結果。

クラミジア、淋病、B型C型肝炎、HIV、梅毒、ヘルペス、コンジローマ。性病は沢山あるけど、子宮頸癌だって性病の一つ。進行は遅いから定期検診が大切過ぎるほどに必要な病気。

恋人と愛を語り合う前に、どうか正しい知識を持ってください。