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花吐病


ごふっ

鈍い音をたてて吐き出す。
口元に当てた手には液体ではなく、大量の花弁が乗っていた。
薄紅色の花弁は、手のひらからヒラヒラと零れ落ちて行く。

ごほっ……ごほっ………

ごぼっ

一輪だけの花、幾つもの花が集まったものが、花弁と一緒に吐き出される。

喉を逆流する辛さだと、自分に言い聞かせ頬を伝う涙を拭う。




この想いは叶わないと知っている。
叶わない想いは、ただただこの病を進行させる。

私に待つのは、貴方との別れの未来だけ。
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