スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

蒲郡/竹島

【竹島で二日の出(ふたひので)】


 奴が迎えに来たのは朝の5時前だった。
 行き先は蒲郡の竹島だ。
 雪が降るとか天気が好くないとかの予報のために、元旦の初日の出を見に行くことを諦めた僕たちだったが、カメラをやっている奴が諦めきれず、一日ズレても良いからと〔二日の出(ふたひので)〕を見に行こうと誘いに来たのだ。

 竹島に着いたのは6時半前だった。
 日の出は7時だ。

 当初、僕たちは竹島に渡る橋の手前で写真を撮ろうとしていたが、水平線に広がる空の色から、太陽の出る場所はかなり左の方だというのを感じ、長居端を渡って突き当たりの竹島に入る地点に移動し、太陽が顔を出すのを待った。
 海の上なので、普段なら強く吹いている風も無く、気温は低かったが空は穏やかに明るさを増していった。
 「あっ、出た!」
 近くにいた若い書生の声が聞こえた。
 海からの日の出はオレンジ色に輝き、感動的だった。

 昨年の冬至の前に伊勢神宮の宇治橋前の大鳥居の間に姿を現す日の出を見に行ったが、やはり僕は海から出る太陽の方が好きなんだと確認した。
 ただ、海からの日の出は美しいが、写真に収めると、どの海でもほぼ同じ風景なので、カメラをしている奴には物足りないのかも知れないなと思った。

 太陽が上がり、集まっていた30人ほどの人たちもバラバラに姿を消していき、僕たちもその場を離れ、島に入り、八百富神社に参拝し、島の南端に出て、島を半周するように作られている遊歩道を通って元の場所に戻り、少し風の強くなった橋を渡って竹島を離れたのである。

知多半島/野間の灯台

【知多半島/野間灯台】11月5日(木)

(一)
 僕にはどうしても1度行ってみたいところがあった。
 大学一年の時に行った研究サークルの夏の合宿が行なわれた知多半島の野間海岸である。
 そこに在る白い灯台が観たいと長年思い続けていたのだ。
気功の先生になり、五十才前後の頃、10名ほどの気功の仲間たちと出掛ける計画を立てたのだが、生憎その日は強風で(少し雨混じりだったかな?)、野間大坊というお寺にいっただけで諦めてしまったのだ。
 公共交通機関は、名鉄の「野間」から歩いて行く以外にはない。
 しかも、どれくらい歩くのかもわからない。
 僕の予想では内海駅から内海海岸に出るくらい(ほんの少し歩くだけ)だと思っていたのだ。

(二)
 名古屋から名鉄急行に乗った。
 富貴という駅から河和に向かう線と内海に向かう線とに分岐し、野間は内海の一つ前の駅だった。
 駅の周りは田畑で商店街は勿論、民家も無い。

 野間海岸は知多半島の西側である。
 太陽の方向から見て、西南に方向項を定め、僕は歩き出した。
 しかし、前方には山が連なっているではないか。
 15分ほど歩いただろうか、何処かの会社の駐車場に入るところに立っていたおじさんを見つけ、道を訊ねた。
 歩いていて初めて会った人である

(三)
 「海岸は、あの山の向こうだよ。」
 おじさんはそう言った後、山に入ると迷うだろうからと、少し遠回りだけれど、平坦な道を教えてくれた。
 そして彼は、
「そうだなぁ。
 歩くと40分くらいはかかるかなあ。」
とも言ったのだ。

(四)
 どうしよう。
 折角、ここまで来たんだし、風の無い穏やかな日なんだから、やはり行くべきだろうな。
 僕は歩き出した。
 既に汗は滲んできていた。
 僕は上着を脱ぎ、鞄と一緒に手に持って歩いた。
 やがて、道は海岸沿いに走る車道に出た。
 僕は車道を離れて海岸の堤防に行った。
 しかし、1度現れた海岸は途中で切れていて、再び車道に出ざるを得なかったのだ。
 しばらく歩くと、オートバイに跨がってヘルメットを被ろうとしているおじさんがいたので、灯台は何処かと訊いてみた。
 「前の建物に隠れて見えないけど、1?くらい先かな。」
と、ヘルメットのベルトを締めながら、おじさんは言った。
 10分余りだな。
 僕は車道の横に引かれた白線の内側を歩き、そして僕は念願の野間灯台に辿り着くことが出来たのである。
 電車を降りて1時間が経っていた。

(五)
 野間灯台は、岩場の中に立っていたという記憶だったが、岩場は少しだけで、周囲もそんなに広くない砂浜で、僕の記憶なんて当てにならないなぁと思った。
 僕は写真と動画を撮った。
 帰りも、やはり1時間ほどかかってしまったが、やわらかな日差しの中を歩けたので、結構、満足したウォーキングを楽しむことが出来た僕であった。

御在所岳

【三重県・御在所岳】10月30日(金)


 娘は9時前にやって来た。
 車は一路、御在所岳ロープウェイ乗り場へ。
 木曽川を越えて三重県に入り、菰野駅、パラミタミュージアム、湯の山駅を過ぎると、車は山の中に入っていく。
 しかし、ロープウエイ乗り場の手前から車が動かなくなる。
 約20分ほどの渋滞を抜けて駐車場に着いた。
 ロープウエイに乗るのにもかなり並んだ。
 山頂はかなりの強風で、時々、飛ばされそうになるほどだった。
 展望広場から降りていき、ゲレンデを通って山頂三角点へ。
 そこまで歩くと、ロープウエイを降りた時に着たダウンジャケットを脱ぐほどに汗がでていた。
 少し休憩し、階段を降りて御嶽大権現の社に向かう。
 風が強く、風の音がうるさくて動画は取れない。
 少し風が静まったのを見計らって動画を撮ろうとすると、景色が今一歩で、安心して(落ち着いて)動画を撮ることは出来なかった。
 帰りはロープウエイも少し揺れていて、降りてくると、間もなく、「強風のためにロープウェイの運行を休止致します」の放送があった。
 昇る人を乗せないのは良いとして、降りる人たちはどうするのかな?
 山頂には沢山の人が残っていただろうから。
 名物の「大石焼き」を買って山を出た。
 「茶茶」という自然薯の店に入り、遅いランチを食べた。
 久し振りの麦とろは旨かった。
 娘の運転での旅もなかなか楽しいものであった。

知恩院

【知恩院】 10月29日(木)


 秋の京都独り旅は、今日の知恩院で終わりになるかも知れない。
 紅葉を愛でる観光客が増え、名神高速バスが渋滞してくるからだ。
 現に、今日も既に30分ほど遅れ、10時半にバスは京都駅に着いたのだ。

 僕は、紅葉の時期にも人の訪れは少ないだろうと、地下鉄で「東山」に出て、知恩院に行った。
 僕の行きたいところは唯一つ、法然上人御廟拝殿だ。

 正面の三門を抜け、男坂を昇る。
 地元の人らしい高齢の人や少し足の不自由な人まで、その急な石段を昇っている。
 やはり、この坂を昇らないと御利益がないと思っているのかも知れない。
 男坂を昇りきると、大きな御影堂(本堂)が姿を現す。
 しかし、僕は独りで来る時には御影堂には入らない。
 ぐるりと右の奥に廻って、勢至堂に向かう更に長い石段の参道を昇って行くのだ。
 勢至堂の山門をくぐり、右手の上に見える御廟拝殿へと上がっていく。
 此処には1年を通しても、殆ど人は来ない。
 今回の目的は動画撮影だ。
 写真を撮ったり動画を撮ったりと少し慌ただしかったが、木魚を鳴らしてお参りし、備え付けのノートにお地蔵さんの絵を描き、拝殿をあとにした。
 帰りは、阿弥陀堂の前を通って黒門(北門)から出て地下鉄に戻った。

南禅寺/10月27日(火)

【絶景かな、絶景かな/南禅寺】 10月27日(火)


 永観堂を出た僕は元来た道を戻って南禅寺に向かった。
 一般道から庭を通って有名な三門の横に出る通路がある。
 受付を済ませ、三門に昇る。
 歌舞伎で石川五右衛門が「絶景かな」と見栄を着る場所だ。
 外の風景なら写真はOKと受付で聞いてきたので、ケータイで動画を撮った。
 三門の上を一周して、城の天守閣にあるような急な階段を降りる。
 足元ばかりか、ぶつからないように頭上にも注意を向けながら恐る恐る降りた。
 今日は方丈に上がるのはやめた。
 やはり庭園は東福寺の方が好きだからだ。
 抹茶を飲むなら上がっても善いのだが、今日はその気にもなれなかった。
 三門に昇れれば充分であったのだ。
 僕は南禅寺をあとにして、地下鉄の蹴上に向かったのである。