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官能的恋愛小説です苦手な方はご遠慮下さい。パスはお友達限定ですごめんね
アタシは斎藤茉莉子…28歳。
みんなにはリコと呼ばれてる。
旦那は一つ上の29歳の
至って普通のサラリーマン。
今アタシには好きな男が
二人いる。
結婚してるくせに
旦那以外に…
二人いる。
一人は不倫。
もう一人は
どれだけ忘れようとしても
忘れることのない
永遠という言葉が
ホントにあるとすれば
永遠に変わることのない
アタシが愛した…
愛してる
ただ一人のひと。
不倫相手は
同じ歳の伊藤勇作。
ただ一人愛した人も同じ歳…
名前は福島健介…
大学の頃からの夢だった
パティシエとして
同じ沖縄の隣町で
ケーキ店をしてる。
今日もまた
意味もなく
健介の店の前を歩く。
そう意味もなく…
本当は意味があるのに…
その意味さえも
はにかんでしまう。
日常の色んなものを買いに行く
この辺りで一番大きな
スーパーの近くに
健介の店がある。
何かに引き寄せられるみたいに
週に一度は行く…
だいたいはアタシの仕事が
休みになることが多い
火曜日の昼下がりがほとんど…。
買い物が済むと
荷物を車にのせて
健介の店のはすむかいにある
果物屋さんで意味もなく
檸檬を一個だけ買う。
わざわざ健介の店の前を
通りたいがゆえに
檸檬を一個だけ買う。
檸檬…
あの日…
初めて健介の部屋に行った
高三の夏休み…
たまたま健介の家にあった
一つの檸檬を
二人でかじりあった。
初めて部屋に行って…
初めてキスされて…
初めて健介のアソコをフェラしてあげた…
あの日が忘れられなくて
いつも訳もなく
檸檬を買う。
ーーリコ…触って…
ーーん…
健介はアタシの舌に
自分の舌を絡めながら
息も荒く…
そう言った。
ーー店長!これどうします?
健介とのことを思い出すだけで
アタシのアソコが
熱を帯びはじめた時…
健介の店の中から響く
男の声に思わず振り返る。
ーーあー…それか…
もう捨てちゃっていいや…
ーー健介…
健介の声を聞いたのは
多分…二年ぶり位…
二年前に聞いたのも
同じ…この場所だった。
アタシ…何を期待してるの?
偶然…ばったり逢えることを
期待してるの?
ばったり逢ったら
何て言うの?
「よお!」
ってあの頃みたいに
明るく手をあげる?
近寄って…
あの頃みたいに
キスをせがむの?
何年も同じことして
何年もこの場所を行き来して
何年もこんなことしてる。
ばったり逢ったとしても
すぐに隠れるか
さっと後ろを向いて
健介の店とは反対に
歩いていくくせに…
結婚もして…
不倫もしてるくせに…
どうしても消えない影。
去年までは
そんな自分が嫌で…
仕方なかったのに…
今では…
そんな自分が好きになってる。
健介を愛してた自分が…。
健介を愛してる自分が…。
もう迷わないよ。
ーー健介に出会えて…
健介に愛されて…
健介を愛したことを…
ーーアタシの人生の勲章にする。