side you…
「よしできた!」
今年の春から大学生になる私は今日からこの町に引っ越してきたばかり。家賃の安さに惹かれて新しい家は築年数がかなり経っている。
住めればいいんだ住めれば!
そう言いながら私は段ボールに入っているものを片付けていった。
気づけば空はもう暗い。
携帯を開けばお母さんからのメールが来ている。
「もう片付けおわったよ、っと」
ぽちぽちと携帯を打ち鞄にしまう。
近くにスーパーあったよな。買い物にいこう!
鞄を手に取り玄関に向かった。
家を出て角を曲がれば目的地のスーパーが見えてくる。
カゴとカートを取り売り場を回る。
めんどくさいし、弁当でいいかな。
メンチカツ弁当にしよう。
手に取りかごへ放り込む。
お茶とお菓子を適当に選び店を出る。
来た道を歩いていると下を向いて歩く男性とすれ違った。
心なしか悲しそうな顔をしている。
「仕事に失敗したのかね?」
呟くと彼はこちらを見た。
…やべ、聞こえたっぽいぞ!
エコバックの中の駄菓子を手に取る。
「まあまあお兄さんや、何があったかは知らないけどこれでもお食べよ」
「…………は?」
お兄さんは怪しい奴を見る目で見ている。
そんな目で見ないでくれ!しがない未成年者だから!
彼の手にスルメイカを握らせて私は逃走した。
…あのお兄さん、ちょっとかっこよかったかも!!
「…なにあの変なやつ」
そう呟かれたことは聞かないことにして。
Side osmt…
「いってきます」
誰も居ない家に挨拶を告げて外へ出る。
外は12月な事もあり冷たい風が吹いている。
俺の目的地は…元カノの家だ。
5年前の今日、彼女は居なくなった。
何も告げず、旅立ってしまったんだ。
小さな二階建ての家に着いたのでチャイムを鳴らす。ピンポーンと乾いた音が鳴り、玄関の扉が開いた。
「あら!いらっしゃい!」
元カノに似た、笑顔の素敵な女性が出てきたので軽く会釈をする。
…元カノ、相田紗樹のお母さんだ。
「こんにちは」
5年前に居なくなった元カノに未練があるのは皆知っている。
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おそ松さん口調わかんないよ!