昨日の夜書くって言ってた、“嬉しいこと”について!
ちなみに今朝はゆうちゃんとしょうもないことでメールしたよ。
仲良しです(^O^)
話題:嬉しかったこと
嬉しかったこと。
(今日の内容は賛否両論あると思います。もしかすると否が多いかも。浮気とか、そういうのが嫌いな人は読まないことをお勧めします)
6月のある日、セックスのあと、ふたりでごろーん。
そんなとき。
「ねぇねぇ、まきちゃん、これ見て!」
ゆうちゃんは時々、誰かから来た面白いメールを見せてくれることがある。
この日もそうだった。
メールを見せてくれる合間に、受信メールボックスが目についた。
「大学」「塾」とか分けられたメールフォルダの中に、ひとつだけ。
『まきちゃん』
って名付けられたメールフォルダ。
それが、私にとってどんなに嬉しかったか。
実はこの話は、昨年の春頃にまでさかのぼる。
昨年の春、同じようにセックスのあとメールを見せてくれた。そのときに目についた受信メールボックスのひとつのフォルダ。
『景子(ハートマーク二個くらい)』
前の彼女さんのお名前。
一瞬息が止まりそうになったけど、何も言わなかった。
その名前がまだ特別な物として彼の携帯にあるってことは、もしかして私が彼の浮気相手なんじゃないか?って思ったから。
確かめてみることにした。
本当に最低な方法だけど、私ね、彼の携帯を見たんです。
景子と名付けられたフォルダには、メールがいっぱい。でもそのほとんどは、私と関係を持つ前のものだったし、私と関係を持つ前に、ふたりは別れていた。
ただ気になるのが最近のもの。
ふたりは一度会っているみたいだった。
もと彼女ともと彼氏として。
それについては構わなかった。
そんなこともあるだろうと思えたし。
ひとつ気になったのはわたしのこと。
景子さんは景子さんとして、ハートマークまで付けられて携帯の中にいる。
なら、私は?
私は、「○○塾」っていうフォルダの中にいた。「立花先生」として。
そのとき、また息がとまりそうだった。
私と元彼女さんの差に惨めさを感じた。
ただ、私はそんなことに文句は言えないと思えた。
彼と初めて関係を持ったとき、私には別の彼がいた。彼を浮気相手にしてたのは私の方だった。
私が前の彼氏と別れてゆうちゃんに告白して、病気もあるし今は考えられないって言われた直後だったし。
それでもそばにいようって決めたのは自分だったし。
ほどなくして私が携帯を見たことはゆうちゃんにバレた。
私が挙動不審だったから。
そのときゆうちゃんは、
「なんでも言ってほしい。腹に一物を持ったままでいられるのは嫌だ」
って言った。
だから、後日伝えてみた。
もと彼女さんのフォルダが目にはいるたび悲しくなってしまうこと。
仕方ないことって分かってるけど、どうか解決してほしいこと。
「これはもと彼女がやったことだし…」
「フォルダ分けのやり方とかあんまり分からないし…」
ってそのときははぐらかされた。
私は、「わかった」とだけ、告げた。
今すぐに解決できる問題じゃないと思ったから。
何年か友だちでもあったから、そこから生まれた信頼もあった。
それに、ゆうちゃんは私に優しくしてくれたから。
このまま日々や身体を重ねていれば、いつか解決するだろうって思えたし。
そのあとは、本当に大変でした。
ゆうちゃんはそのときまだ鬱も酷くて、ずっと吐いてたり意味もなく泣いたり、お泊まりしても一言も話してくれなかったり、ふらっとどっか行っちゃったり。
拒絶されて、ギリギリになりながら最後に「わたしのこと、すき?」って聞いて鼻で笑われたり、「今度また会おうよ」って言ったら「なんでそんな暇なの?」って真顔で聞かれたり。
あとはゆうちゃんがひたすらシンクに頭ぶつけてたりしたこともあったな。
今とは全然違って。
その都度、泣いたり笑ったり怒ったり怒鳴ったり宥めたりすかしたり。直すべきとこは直したり、私も診療内科に通ったり…。
その結果、今みたいに安定することができた。
ゆうちゃんが携帯の中に作ってくれた「まきちゃん」のフォルダは、その象徴な気がして。
景子さんのフォルダも、なくなってた。
本当によかったな。
嬉しかったのは、そのこと。
メールを見せてくれたあと、静かにゆうちゃんに抱きついた。そのままゆっくり力を込める。二人とも裸だから、心臓の音まで聞こえる気がする。
静かに抱きついた私に、
「まきちゃん、どうしたのー?」
ってゆうちゃんが聞く。
「ううん、なんでもないよ」
ゆうちゃんにそう言うと、そっかぁって笑って、ゆうちゃんが抱き返してくれた。
ゆうちゃんの肌の匂い。
高い体温。
6月の雨の音。
そのとき私は、あ〜、あのとき諦めなくてよかったなって思ったんだ。