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昏倒少女

昏倒少女/安藤ゆき


○ホットアイスチューン

始まってもいなければ終わってもいない恋。
最初で最後の待ち合わせは、様々な失敗に阻まれる。
会えなきゃ終わりだと思ってるのは男の子の方だけで、女の子側は最初からこれからも会える関係になろうとしてるんだよね?
十数ページと短めの話の中で、女の子の方が精神年齢が高いって本当だなぁと感じられておもしろい。


○昏倒少女

虚弱体質で頻繁に倒れる小日向さんのお話。
クラスメートの橘くんは、体質が少しでも改善する様にと家に招き、栄養バランスの取れた食事を提供してくれる。
彼の不毛な恋と、行き場のない愛情と、母親ゆずりの虚弱体質。
ぼんやりと寂しさを秘めたまま、橘家は温かくて心地よくて、小日向さんの心と体はどんどん健やかに。
二人が次へ進んで、一緒に笑い合う未来が来たら良いのになぁ。
橘家はほんと居心地良さそう。嫁姑の関係が良好過ぎて笑う。


○溢れる

前髪が伸びてきた。
最近イライラするから銀行襲撃しよう。
という、全く意味の分からない入りから
幼なじみの微妙な関係の変化とか
大人になっていく寂しさ、新しい二人への一歩が流れる様に描かれています。
志穂ちゃんはちょっとおバカっぽいけど、意外と色んな事考えてる子だったんだな…と
最後にちょっとやられた感。


○炎のゆくえ

愛の為なら寝食も忘れて勉学に勤しむ果歩と、イイカゲンの権化・竹やん。
一方通行な果歩の愛はいつも流され茶化されて、なかなか届かない。
だけどめげずに竹やんとの将来まで思い描いて、一途に一直線に想いを貫く果歩は健気にも思えるけど
ある意味歪んだ愛情だよなぁ、とも思う。
二人がそれで幸せなら良いけども。


○パーティー

「誰かのために生きる」って言うのは
とても優しく美しい響きに感じるのに
「誰かのために死ぬ」のは
悲しくて愚かで、寂しく感じる。
どちらもその「誰か」に対して強い気持ちを持っているからこそ至った答えなんだろう。
だけどそこに自分の幸せや未来がないなら、その「誰か」だって幸福にはなれないんじゃないか。
死ぬ努力が出来るなら、生きる努力もきっと出来る。
千景と彼が笑える朝が来てよかった。
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