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涙恋 4



キス、された。
しかも、母さんの恋人に。

「…すまない…。少し、チャンミンにヤキモチ妬いたみたいだ…」


そう言うとサウンさんは俺の上から退くと俺の手を握り起こしてくれた。
ごめんやすまないを繰り返すサウンさんが可笑しくてつい吹き出してしまった。


「っぷは、もう、良いですよ…。すみません。部屋に戻りますね?」

「…あぁ…今日はリビングで仕事してるから何かあったら言いなさい」

「はい」


サウンさんに頭を下げるとリビングを出て階段を上がる。
一段、一段、上がるにつれてほっぺに涙が流れる。
部屋に入るとドアに鍵を掛けベッドに飛び込み枕に顔を埋める。


「うぅ…ん…ファースト、キス…」


男からのキスが嫌なのか、ファーストキスをあんな風に奪われたのが嫌なのか、自分でも分からないけど涙が止まる事はなく枕を濡らし続けた。







「ユンホ!ユンホ!居るのか!ユンホ!」


暫くするとサウンさんがドアをドンドンと叩き叫んでる声が聞こえてきて、ゆっくり身体を起こした。

窓の外は真っ暗で寝ていたのだと気付いた。
目を擦り部屋に電気を点けると大きく背伸びをした。


「…居ます。サウンさん、居ますから」


話しながらドアに近付き鍵を外しドアを開けるとサウンさんが凄い形相で、いきなり力強く抱き締められた。


「ユンホ!呼んでも返事が無いし、ドアは開かないし心配したんだぞ!…はぁ…俺から離れるな…俺が面倒みてやるから…可愛い俺のユンホ…」

「…ごめんなさい…」


強く抱き締められているのに何故かサウンさんからは温かさが感じられず数分の事とは言え、寒さをかんじるぐらいだった。



「あら?何してるの?サウンさん」


弁護士を連れて帰ってきた母さんに見られたけどサウンさんは俺を離さず母さんの方を見て冷たい声で言い放った。


「お前には関係ない。何故帰ってきた?話がつくまで帰ってくるなと言っただろう。今はユンホと大事な話をしている。下に居なさい」


話し終わると俺の身体を離し指を絡ませ手を握ると俺の部屋へと入る。


「ユンホ…愛しいユンホ…。駄目だ。今日は我慢出来そうもない…。ユンホがいけない…心配掛けるから…」


さっきからこの人は何を言っているのだろう?
ベッドに寝かされた俺は何故か上半身を裸にされ、サウンさんに触られていた。
首筋、胸板、腹筋…長い指がスルスルと滑り優しく触れていく。

何?何をしてるの?この人。
この人は誰?



“助けて”なんて声も出なくて、人形みたく感情を消す事で、この時間を乗り切ろうとした。


身体を触るだけ触り満足したのか俺に服を着せていくサウンさん。


「…お母さんには内緒だよ?ユンホが話したら俺は折角手に入れたお前を離さないといけなくなる…。俺に寂しい思いをさせないでくれ…」


口の端を上げて笑いながら話すサウンさんは平然としていて普段から男の子にこんな事をしてるのだろうか、と疑問を抱く。
サウンさんは白いシャツの上から俺の胸を触り胸の中心を摘む。


「綺麗だ…。ユンホ…綺麗すぎる…」


シャツの上から胸の中心を舐められ小さく肩が震えた。


「…いやぁ…」


絞り出した声は余りにもか細く弱々しい物で自分より遥かに大人の男性を止める事は出来なかった。
シャツの胸元はサウンさんの唾液で濡れてしまい小さいシミが出来た。


「…家に居る時は白いシャツだけ着てなさい。いいね?ユンホは白が良く似合うから」

「…………」


コクンと頷いた。
逆らったら駄目なのは分かっていたから。


「お母さんが心配して居る…一緒に下りて安心させような」


俺のほっぺを撫でその流れでほっぺにキスされた。
子供な俺はこの人の言い事、する事に従うしかなかった。

初めまして、初恋さん 番外編

1、2人の真ん中誕生日

初めまして、初恋さん 10 完



ベッドに戻ったけど、身体を重ねるのは辞めてユンホさんの汗を拭き新しいシャツとパジャマに着替えさせると二人並んで横になった。

少し長くなった前髪をユンホさんが指で退かしてくれておでこにキスをしてくれた。


「俺は平気なのに」

「ダーメ。テミン君迎えに行くのにぶり返したら意味がないから」

「…なぁ、あの顔の濃い奴」

「ヒョン?」

「…お前に気があるのか?普通見せ付けるだけでもキスはしないだろう」

「ほっぺじゃん」

「でもさー。キスには変わりない」

「…昔から可愛がってくれてて、ほっぺにちゅーなんて当たり前だもん」

「もう近づくな!お前は俺の恋人だろ!」

「…ヤキモチ?」

「…だったら、何だよ…」

「嬉しいな…なんか、愛されてるって感じがして」

「愛してるから触らせて欲しくないの」

「…分かった。ユンホさん、大好き…」


ぎゅぅと抱き着き胸板に顔を埋めれば嫌でも反応してしまう中心。
参った…どうしようかと、悩んでいたらユンホさんの手がズボンの中に入ってきた。


「ヌいてやるから…俺に抱き着いてな」


そう言うと素早く扱かれてあっという間に達してしまった。


「…早いし、濃い…。出してなかった?」

「もう!舐めなくていいから!…ユンホさんが、良いから…」


尻窄み気味に話せばティッシュを手に取りユンホさんの手を綺麗に拭いた。
あぁー…俺、絶対今、真っ赤だわ。







「チャンミン…安心するな、お前」

「…ユンホさんこそ、落ち着く…」


服装を直されるとユンホさんが腕枕してくれて、そのまま眠りについた。

人生で一番気持ち良く寝れた夜だった。



朝、目を覚まし真横にある愛しい人の寝顔を眺める。
熱は完全に下がり安心の溜め息を漏らす。
整った顔に触れようと手を伸ばす。

目の下の傷さえ愛しくて、そっと唇を落とす。
唇の上にある黒子にもキスをしてからペロリと舐める。


「ユンホさん…大好きなんだ…」


綺麗な寝顔を見ていたら愛しさが募って胸がぎゅぅと痛くなった。
何で、こんなにもユンホさんが好きなんだろう。

初めて好きになれた人。
初めて好きになってくれた人。

この恋だけは離したくなくて、まだ眠るユンホさんにしがみついた。


「…さっきから大胆だな、チャンミン。昨日オアズケ喰らったから我慢効かねぇかんな」

「…でも、テミン君迎えに行かなきゃ」

「まだ時間はあるだろうが」


いつの間にか起きていたユンホさんに襲われてしまい3回も揺さぶられた。
その間も何度も囁かれた愛の言葉が全身を包み込んで激しい快感へと変わりいつも以上に興奮したのは内緒だ。



「なぁ、一緒に住まねぇ?チャンミンが居ると賑やかだし、何より俺が幸せだし」

「住みたい!…でも、テミン君が卒園してからね?」

「…堅いな、せんせーは」

「仕方ないよ…。気にする親御さんもいるから」

「…ここは柔らかいのにな」

「バカッ!何処触ってるんだよ!」

「やばい…もう1回いい?」

「駄目に決まってるだろ!」


これだから一緒のお風呂は嫌って言ったのに…。
…………夜ならね、って呟くとニヤリと笑い俺の手を取り指にキスをする。

…月曜日、仕事大丈夫かな?












「なんで、シムせんせーがいるの?」


ユンホさんと一緒にテミン君を迎えに行くとユンホさんを見た瞬間、大粒の涙をポロポロと流しながら抱き着きユノちゃん、だいしゅきと何度も呟いているテミン君の頭を撫でると、涙を流したまま不思議な顔をして見て来る。


「テミン。シムせんせーはテミンのママになりたいんだって。テミンはシムせんせーにママになって欲しい?」

「シムせんせーがママになりゅの?…テミンとユノちゃんとシムせんせーでくりゃするの?」

「そう。3人で一緒に、家族になろう」

「なりゅ!シムせんせーだいちゅきらもん!シムせんせーママになって!」

「…テミン君、ありがとう…ユンホさんも…」


嬉しくて泣いたら二人に抱きしめられた。
三人の姿を見て、優しく微笑んでいたおばあさんに気付いたのはかなり後だった。


初めまして、初恋さん。
俺の初恋は実りましたよ。
それに素敵な家族も出来ました。
ありがとう、初恋さん。







「あ、ボアちゃんなんか言ってた?」

「ボア?ボアが何?」

「嫌、あの子、後輩の彼女でチャンミンの事相談した子」

「え?って事はボアは全部知ってたの?」

「知ってるよ?何も聞かされてない?」

「何も話さないからあいつ…」


そう言えばユンホさんを「テミン君の保護者」って言ってて、パパとは言ってなかったな…。


後から問い詰めるか。
「だから、何?」って言わそうだ。

真昼間の秘め事 8 完

1、2人の真ん中誕生日

真昼間の秘め事 7

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