スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

高橋くんと駒津せんせい2

−−−−−


廊下を歩きながら、ふあ、とあくびをする。
担任を持ってしまうとやはり忙しいもので、しかもそれが三年生のものともなると、その忙しいのにも拍車がかかってしまう。お陰で睡眠時間を減らされるこっちの身にもなってほしい。

(……でも)

ふと頭にとある問題児の顔が浮かび、思わず笑みが溢れる。
担任は疲れるものだが、生徒には面白い奴らがいるもので、そこは悪くはないと思う。
彼はその筆頭で、呆れるようなアホをやらかしたり問題を起こしてくれる。たまに被害を被ることもあるが、端でやってる分には面白い奴だ。

そうこうしている内に教室の前までたどり着くと、何故か室内は異様なほどに静まり返っていた。どうしたんだと首をかしげつつ僅かに開いたドアに手をかけ、足を一歩前に踏み出した、瞬間。









黒板消し落下










(あははははっ!先生きれいに当たりすぎ!真っ白!)
(………高橋、)


−−−−−

高橋くんは悪戯っ子に昇格されました

前回に引き続き、空に還る日 さまのところよりお題拝借しております!
まだ続く

高橋くんと駒津せんせい1

−−−−−


「高橋ー、起きろー」

ゆさゆさと肩を揺すられながら、微睡みの中聞こえてくる緊張感のないゆったりした声。誰の声だっけ、とのそりと起き上がると目の前には担任の、駒っちゃんの姿があった。

「………」
「………」
「……おやすみなさい」
「………じゃーおやすみ」

駒っちゃんならいっか、と再び机に突っ伏すと、すぐに眠気が体を支配する。
駒っちゃん辺りが何やらぶつぶつ言っていたようだったが、次第に小さくなって、すぐに聞こえなくなった。









睡眠補給は授業中










(ま、後で困るのは自分だしな)
(むにゃむにゃ…)


−−−−−

空に還る日 さまのところよりお題を拝借しました
一応続きもの?


高橋
目先のことに一生懸命なちょっとお馬鹿な一応高校生。憎めない子。

駒津先生
放任主義者な先生。生徒からはなんだかんだ好かれていて、愛称が駒っちゃん。

俺とどんぐり

−−−−−

一匹狼不良×どんぐり目平凡

−−−−−


校庭にある大きな桜の樹には、願いを叶えてくれる小さな神様がいる。

そんな噂なんていつもは信じないのだけれど、この時ばかりは何故だか無性に気になって。
いつも誰かしらいる桜の樹を遠くから眺めていた。
ある時ふと桜の樹を見ると、そこには何故だか誰も居なかった。不思議に思いながらも近寄って見上げてみると、どんぐりのような二つの目とばっちりかち合った。

「…かみ、さま?」

今考えると、俺は少し気が動転していたのかもしれない。
いくら桜の樹の上に居るからといって、神がこの学校の制服を身に纏っているとでも。十中八九ここの生徒に違いないだろうに。
俺の呟きにもなんの反応もない二つのどんぐりは、閉じられたかと思うとそのままこちらに近付いてきた。というか、落ちてきた。

「は?……!がっ、い…っ!」

もしや割れてしまったのではないかというほどの痛みが、頭を襲った。
桜の樹の上にあったどんぐりが、転がり落ちて俺の頭を直撃したのだ。
あまりの痛みにしばらくのたうち回る。なんだこの痛さ、石頭め。と痛みの元凶であるどんぐりを睨みつけるが、それは何故かぴくりとも動かない。
まさか、と急いで目の前まで周り込むと。

「………寝て、る?」

どんぐりは俺の苦しみにも気付かずに、すやすやと平和そのものな寝息をたてていた。

それが、俺とどんぐりの出会いだった。


−−−−−

実は昔に書いたので続くかわからない話だったり
書けそうだったら書くかな

不良×無表情平凡(?)

−−−−−


「こっち向けよ。」

言いながら強引に顎を捕まれ、ぐるんと回される。ぐき、と首が嫌な音を立てるのも構わずに、そいつは俺と目が合うと嬉しそうに笑った。首は聞こえた音に違わずかなり痛いのだが、この男にそんな文句を言えるほど俺は強くない。というかどちらかといえばビビりである。顔に出ないだけで。
顔の方向に体を合わせ、向かい合わせに座ると男はようやく手を離してくれた。捕まれていた顎も痛い。手加減はされているだろうが元々の力が強いのだ。
彼は不良の総長をやっている。俺は不良でもなんでもない、ただの善良なる一市民でこんな男と関わることもないと思っていたが、何故かこうして関わって尚且つ気に入られてしまうという不思議な状況に陥っている。
鋭い切れ長の目に凛々しい眉、高く筋の通った鼻に形のよい唇。顔はどこのモデルだってくらい整っているが、その分睨まれた時の迫力はすさまじく怖い。今の男は幸せそうな笑みを浮かべるばかりだが、初めて会った日に見た鋭い目を俺は忘れはしない。
そんなことをぼんやりと考えていると、急に目の前に男の手があらわれた。なんだこれ。

「ほら、手出せ。」

手?一体なんなんだと疑問に思いながらも素直に手を出すと、そのまま握られた。
ますますわからない。

「なんで、手?」
「なんでって、恋人なら手ぐらい繋いだっていいだろうが。」

恋人、という言葉にぴしりと固まる。実際に改めて言葉にされると、そんな事実に意識が遠退きそうになった。
そう、俺はこの男といわゆるお付き合いというものをしている、認めたくはないが。
俺だって女の子が好きだ。男は嫌いじゃないがそういう対象ではない。
では何故こんなことになっているかというと、もはや脅しとしか言いようがなかった。付き合え、でないと殴る。なんてこと言われてみろ、頷くしかあるまい。

「お前の気持ちなんざ知るかよ。いい加減諦めて、大人しく俺と付き合え。」

到底逃がしてなんてくれそうにない男から目を逸らし、どこか遠くを見る。現実逃避くらい許してくれ。


−−−−−

自分を恐れない平凡くん(誤解)を好きになっちゃった不良さん
平凡くんは無表情というか、感情とかがあまり言動に出ない子

前の記事へ 次の記事へ