そろそろお盆休み。今回は彼さんと里帰りします。さてさてその実家からお送りします、昔話山をのぞむ風景

実家は盆地で山は沢山あります。というか、家の目の前にあります。それを見ながら20年近く暮らしてきました。小さい頃は花火を隠してしまう目の前の山が邪魔で仕方なかった。街場に行くにもトンネル通るし。

しかし、歳をとると、山の四季折々の姿がなんだか、可愛いような恋しいような不思議な感覚を感じるようになりました。

冬、少し焦げたような香りと雪の甘い香り。
見渡す限り、木々は葉を落とし、白い雪に覆われる。白と茶のコントラストは地味なようで中々渋い。

春、山から甘い花と若葉の爽やかな香りがする。禿げきった山に抹茶の粉をまぶしたかのようにあちこちと少しずつ緑が拡がる。色は黄緑。所々では桜で白くなっている。

夏、むせかえるような葉の香りと甘さ濃いめの花の香り。山は黄緑からモスグリーンへ。梅雨で雨が降った日の後はけぶっている。

秋、少しずつ赤く黄色く萌えていく。金木犀なんかの香りと枯れ葉の優しい香り。

そしてまた冬がくる・・・。

ざっとかいたけど、1年家に住んで毎日みてもらうとわかってもらえるはず・・・。簡単な四季で書いたけど、本当は、毎日雰囲気が違う。山に生える草木が生きて動いて成長して。山が動く。

今の土地は山が少ないってか土すらない。コンクリート。それはそれで住みやすいけど。庭を一回りして、あの花が咲いたとか、蟻の巣をとことん掘ってみたり、たまに草むしりをしたり。猫の散歩して蚊に刺されたり、もずのはやにえがあったり・・・。ここにいると夢に出てくる。

確かに関東は何でも揃う。欲しいものは手に入る。新商品が、新作が、東北では手に入らないのが、たっくさんある。それでも、たまに思い出す風景はやはり、山と土。田舎もんだべ、仕方ねぇ。