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虚偽 スザルル

すらりと伸びた銀の切っ先が俺の左目を捉える。
両目が、じわりと熱を持った。


「君がこの瞳を亡くすなら、」
「…退くか?」
「僕が君の光になる」
「おこがましい。」


切っ先は俺に真っ直ぐに向いていたが、それを持つ手は小刻みに震えている。

怒りからかはたまた恐怖からかは俺には伺い知る事はできない。

迷うと言うならば俺はその迷いを断ち切らせなければならない。
約束を違えるなと呪われし眼が俺を苛む。

「お前は俺の目的の為の駒にしか過ぎない。
お前が俺の光になる?笑わせるな。
ならば俺はいっそ自害する。」
「君は、」
「愛だの恋だのとくだらない感情に浮かされて目的が見えなくなったか。勘違いも良いところだ。
お前に対してそんな感情などひとかけらも、」

ない、と言う前に剣は床に投げ置かれ、それを持っていた人間は脱兎のごとく居なくなっていた。

「………腑抜けが。」


感情などとうに無くした。
悪魔にこの身を売り渡したのだから。
それなのに後悔がこの身を縛って動けなくする。
悔しさに唇を噛んだ。

本当の事を言えば互いに逃げたくなる。
犯した罪は償わなければならない。その罪さえも無かったことにして、
あの優しい手を取れたなら俺はなにも望むものなどないのに。

俺の感情を知ったら後追いするだろう。
そんな事俺は望んでいない。
ならばいっそ最期まで嘘を突き通せば良いのだ。
己の感情と真逆を言えば、俺に対する未練などなくなる筈だから。
だがその前に俺がどうにかなってしまいそうだった。
後から溢れ出る涙が止まらない。


「スザク、」


呟くように名前を呼んでから頬に伝う滴を手の甲で乱暴に拭うと玉座を後にした。





最善の結果は、もうすぐ。
断罪はすぐそこに。






1205 スザルル

もうすぐ、君が亡くなってから半年が経とうとしていた。

この季節になれば寒がりな君がいつも不平不満を言うんだ。

日本は寒くてかなわないだとか、躯が冷えてねむれないだとか。


どんなに時間が経っても思い出すのは君の事ばかりで自分でも可笑しくなってくる。


君が慣れ親しんだ仮面を部屋に入って外せば吐いた息が部屋の中でも白かった。
暫くの間、部屋を空けていたせいか何時も効いている筈の空調は効いていなかった。

日付はもう直ぐで5日。
愛しき君の生まれた日だ。


ゼロに休みはないと言いたかったが、この日だけはどうしても誰にも会いたくなかった。

大切な、君の誕生日なら僕も『スザク』に戻り君を祝いたかった。

簡素な部屋には何もないしケーキも買いに行くことはできないけれど窓際に立って空を見上げる。





「会いたいよ」
「…………未練がましい男だ」
「本当に、イヤになっち…!!!!!!」

聴き慣れた声に同意して自嘲しながら振り返れば漆黒の髪が視界に飛び込んで言葉を失う。

「る、る、るッ!!!!」
「……煩い奴だな…」

言葉が旨く紡げない僕に柳眉を寄せた彼は非難めいた言葉を口にするも僕の前まで歩み寄ると微笑を浮かべた。

「な……」
「プレゼント、だそうだ。」
「……ッ、」

僕の髪をくしゃりと撫でた彼に縋るように言葉に出来ない気持ちを表すように強く抱き締めた。

「ルルーシュ、」
「スザク…」

噛み締めるように名を呼べば慣れた声が優しく僕の名を呼んでくれる。
するりと背中に回った細い腕に視界が滲む。

「一番に言いたかったのに…」
「まだ始まっていない。」
「プレゼントも、何もない…」
「買える状況じゃないだろう?」

駄々っ子のような僕の言葉に目を細めて子供をあやすように言う彼の紫の瞳を見つめた。

「ルルーシュ、愛してるよ」
「…スザク」
「好きだよ……」


言い足りないよ。
消えないで、逝かないで。

無情にも時間は過ぎるのだとわかっている。


時計の針が、0時を指す。
ルルーシュが生まれた日の始まりを告げる。
声にならない言葉は飲み込んで、薄い形の良い唇に口付けた。
熱いはずの熱はそこにはなくてぼんやりとした感覚しかない。



「幻、なんだね。」
「……また会えるさ。」
「…おめでとう、ルルーシュ、おめでとう、愛してるよ」

腕の中で消えていく気配に何度も何度も囁いた。
僕の愛しい人はずっと笑顔で消えてしまうまで、ずっと髪を撫でていてくれた。






何年、何十年先になるか解らないけれど
僕は必ず君に会いに行く。
その時、君に会えなかった分のおめでとうと愛の言葉を伝えるから。








おめでとう、僕の愛しい君。

サヨナラエゴイスト スザルル

手を伸ばしたら、触れられると想っていた。



月日というものは残酷で
少し離れていただけのようにも感じる7年という時間は考え方すらも変えてしまったようにも感じた。


変わって居るようで変わっていない俺と
変わっていないようで変わってしまったスザクは、交わらずに平行線を辿った。

多分、7年前のあの頃から何かが捻れてしまったのだと思う。







「君は、」
「……」

再会した俺達は、時間を埋めるように互いを求めた。
触れ合った肌が伝える体温だけが真実だ。

「何も言わない約束だろう?」
「…ルルーシュ…」


求めてはいけない、求めてしまえば手放せなくなる。
解っていても心の奥底では、明確な言葉を欲していた。



思考に感情が追いつかない、

巻き戻らないネジ



「ユーフェミアの騎士に選ばれたんだってな」
「今、そんな話しッ」
「おめでとう。」

拒絶すればいい。
そうすれば、俺の元から離れていく。
これで、いいんだ。


「もう来る理由もないのに此処には来るな」
「ルルーシュっ」
「お前は皇女の騎士になる、男色に耽るな。」
「ルルーシュ!」

ベッドから立ち上がって、名前を呼ぶスザクにも構わず背中を向けたまま扉の前にたつ。

「おめでとう。スザク。」
「ッ」

振り返った視線の先に、泣き出しそうな顔をした相手を捉えた。
振り切るように、前を向くと部屋から外にでる。


ぱしゅん、

閉まるドアの音を背に、逃げるようにシャワールームへ向かった。
その音はまるでアイツへの感情をも蓋をするような音だった。











本当は
俺を選んで欲しかったよ、スザク。

枢木スザク考察日記 スザルル

茶色
碧色
ふわふわくるくる
子供体温


「ルルーシュ?」
「……ん?」
「僕の顔何かついてる?」
「ああいや、何でもない。」

隣に座るスザクの顔をじっと見つめる。
不思議そうに丸くなる瞳は幼い頃にスザクから貰ったビー玉みたいに綺麗な瞳だった。

「ねえルルーシュ」
「ん?」
「キスしていい?」
「っ?!」

突然の言葉に言葉を失うも碧色から視線が外せない。
両手首を掴まれて顔が近付く。
返事を聞く前に触れた唇の感触に目を閉じた。

「ん」
「可愛いね、ルルーシュ」

唇が触れたまま囁くような声に体がびくりと震えた。

「いただきます。」
「まっ!馬鹿者ッ!!」







馬鹿犬
単純
色欲魔







and more?

一抹 スザルル ※強姦系注意

華奢な躯を組み敷いて真白な項に舌を這わせた。

ひくり、と背中が吊るようになって息を飲むのが伝わる。

「ルルーシュ」
「ッ…離せ」
「僕が、大人しく聞くとでも?」

貼り付けたような笑みを浮かべて見たけれど相手にはきっと伝わっていない。


こんなにも、憎くて憎くて仕方ないのに。


「ルルーシュ、愛しているよ。」
「ッ……」

君は滑稽だ。
僕の嘘に揺れて、大人しく躯を開くのだから。


征服欲だとか性欲だとか、汚い感情が渦巻いて彼に向けたものの根底は何だったのかすら今では解らない。
“愛して”いたのかもしれない。
それも、今では曖昧ではある。

四つん這いにさせたまま制服のズボンと黒い下着を剥いだ。
白い双丘をかき分けて桃色に色付く蕾に指で辿る。
自ら潤うことのない其処。
普段なら慣らす行為も今日はとても億劫に感じた。

「……今日はなんか虐めたい気分だな」
「やっ……め、」
「…怖い?
…可愛いね、ルルーシュ。」

覆い被さって顔を覗き込めば瑠璃色の瞳は水分を含んで今にも雨が降りそうな程だった。
宝石のような眼球に舌を這わせてにたりと笑みを浮かべる。
彼の喉がひくりとひきつって空気を肺いっぱいに吸い込んでいる。

躯を一度離すとズボンの前を緩めて下着から勃起したものを取り出す。
性的な愛撫は一切加えていないし己にも施してはいないのに、怒張して早くも狭い腸内へ収まりたいと訴えていた。

泣き顔が見たくて堪らない。
屈辱を味わせて、うち震える姿に興奮する。

制服の胸ポケットにコンドームが入っていたのを思い出してそれの袋を口に端を咥えて片手で破った。

「君はどんな気持ち?」
「え?」
「…今までは生でヤってたけど……一年放ったらかしにしてた恋人に半ば強引に犯されて…挙げ句もう二度と生ではヤらないって言われたら」

問い掛けながらするすると勃起した己自身にコンドームを装着する。

振り返った紫闇の瞳は恐怖に歪んで僕の真意を伺うように見つめてきた。
それを見つめ返したまま細い腰を掴んで入り口にあてがう。

「お……れは、ひぐっ!!」

言葉を紡ぐ前に、無理矢理押し入る。
亀頭の半分も受け入れられないほどキツく力任せに腰を押し進めた。

「…ッ……ッく………二度と、優しくなんて、抱かないから……」



薄皮一枚隔てただけなのに
繋がっている感覚などなくて、
痛みに嗚咽を漏らす華奢な背中を見つめながらがむしゃらに腰を動かした。


白い肌に滲み出た血が鮮やかに俺を苛んだ。






ねえ
僕ら何処から間違っていたのかな。
僕は君を
守りたかった、だけなのに。
傷付ける事しかできない僕を、
赦してくれますか。







視界は、闇に遮られたまま



君が静かに泣いていた。








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補足すると……
R2 2話以降…のスザルル。
両想いだけど憎んでるから微妙にギクシャクしてて
スザクはルルを抱きたいけど、憎んでる部分もあって、無理矢理…みたいな。
ルルはスザクが好きだけど自分を売り渡した人非人だし…でも好きだから拒絶できない…みたいな。

気持ち悪いお話です。(´`;)
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