桜徒然


6月22日 21:18 :読書
『ビブリア古書堂の事件手帖4 栞子さんと二つの顔』

梅雨と台風の影響で、しばらく雨模様だったけれど、今日は久しぶりに朝からお天気。
ずっとジメジメしていたので、体調もイマイチ。
来月初めに図書館の職員何人かで毎年恒例(?)の人間ドックに行くことになっているのだけど、なんだか結果が悪そうな予感。
もう少し摂生&節制をしなくちゃね。


今週末は土日出勤。
久しぶりの晴れ間に、今日は朝から利用者が多くて図書館は大混雑。
特に、何人かまとまってやってくる小学生が多くて、館内でのお喋りを注意しても注意しても、ず〜っとうるさくて参った。
今週は土日勤務が終わっても、月曜日は防災訓練があって全員出勤だから、辛いなぁ。
火曜日の休みまではなんとか頑張らねば。



そんなこんなで今日も本の話。





ビブリア古書堂の2人は、江戸川乱歩の膨大なコレクションを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいと依頼される。美しき女店主とその母、謎解きは2人の知恵比べの様相を呈してくるのだが…。






ビブリア古書堂シリーズ最新刊。
今までの3冊は短編集だったのだけど、今回はシリーズで初めて一冊まるごとの長編。
本にまつわる謎を解いていくという形式は今までと同じ。
テーマとなる本は江戸川乱歩。


とある資産家が、江戸川乱歩の膨大なコレクションを譲る代わりに、ある人物が残した特殊な金庫を開けてほしいという依頼を持ち込む。
それをビブリア古書堂の主人・篠川栞子が従業員の五浦大輔とともに解き明かしていくのだけど、シリーズの中で一番読み応えがあって面白かった。


テーマが江戸川乱歩なだけに、いままで一番ミステリー色が強く、伏線が回収されていく後半の謎解き部分は、とても爽快な読後感。
「孤島の鬼」「二銭銅貨」「押絵と旅する男」といった乱歩作品の怪しげな雰囲気が謎解きまでの過程をさらに盛り上げてくれる。


栞子さんの洞察力は、あいかわらず天才的。
そして、今作では、ついに栞子さんの母親・篠川千恵子も登場して、二人の知恵比べという様相を呈していく。
前の巻までに少しずつ描かれてきた母親との関係も今回は大きく動いたという印象。
この二人の間にある溝は本当に深くて、いつか修復されることはあるのかと、なんだか不安になってくる。
それにしても、母親が嫌なヤツなんだよなぁ。読めば読むほど嫌いになりそう。
こういう態度にも何か理由があるのかもしれないけれど。
ますます続きが読みたくなっちゃうストーリー展開であるのは間違いない。


今回私は、栞子さんを含めた登場人物たちそれぞれの本に対する深い想いに心打たれちゃった。
本って、それを読んだ時の状況や心情、当時の出来事や、本に関わった誰かの思い出までも含めて、人の心に刻まれていくんだよね。喜びだったり、悲しみだったり、悔しさだったり。
改めて考えてみると、「本を読む」って本当に不思議な行為だなぁ。


前の巻あたりで、そろそろネタも尽きて停滞気味かしらと思っていたけど、4巻目で再び面白くなってきた。
早くも次回作が待ち遠しい。



話題:本の感想


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