例えば、フロイトを出発点とするシュールレアリストは無意識から芸術を取り出す。
抽象的で観念的な外見を持ったそれらの作品を分析するとき、彼らが参考にしたフロイトの精神分析を用いて観察するのが望ましいように思う。

シュールレアリスムへの参考として、本書のフロイト分析は参考になった。
精神分析の主体とは何か?と出発し、精神分析は芸術家フロイトの作品であり芸術的に纏まりを持った学説であると切り込みをいれ、芸術の方法論を援用し説明していく。
例えば、ニーチェの悲劇論であったり、詩人の詩作の表現論から説明する。
どれも、フロイトが参考のために使用したものである。
シュールレアリスムに言及はないが、フロイトの芸術への接近を分析しそれを切り口にして精神分析を見ていくのは、芸術運動であるシュールレアリスムには多いに参考になる。。

芸術を基に形成したフロイトの作品が、シュールレアリスムの基になり芸術に昇華していくこの回帰はおもしろい。



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