話題:おすすめ本

相も変わらず、ヘタれたままのキノ子です。

ちょっと前に読んだ本の興奮がなかなか冷めない!!
そんなわけで布教活動(笑) 

『さよならドビュッシー/中山七里』

タイトルと、ゴッホの絵みたいな表紙に魅かれて買ってしまった;
この日は本当、ジャンプを買うためだけに本屋に行ったのに←
第八回このミス(このミステリーがすごい!!)の大賞作品らしいけど、そんなこととは関係なく手が伸びたんだよね。
久々に「これ!!」と思える作品に出会えて幸福感に浸ってしまった(--*)

Web上の感想を見る限り、ミステリーマニアの人には物足りない感もあるみたいだけど、普段読んでる作品からしてミステリー要素に執着の無い私にはすっごい面白かった!!
とても情緒あふれる世界観が堪らなく好き。
そして、そんな表現の中にキッチリ伏線が張ってあるところがまたすごい。

正直、ミステリーとしては物足りないって人と同様に私も作中で起こった事件より、ハンデを負いつつピアノに打ち込む主人公の生き様とか登場人物の信念だとかが救いがたい世界に希望を与えてくれる、そんなヒューマンドラマの部分に終始心打たれてたんだよね(^^;)
でも、そんな場面にもちゃんと謎解きのヒントがあって、読み終えてから作品の場面場面を思い返して興奮した!!

「もっと考えてゆっくり読めば、自分でも解けたんじゃないか?」

最後に「あっ!!」と言わされておきながらそんなことを考えちゃった(笑)
伏線の回収があまりに見事だったから、語る相手が欲しくて先輩に押し売りしたし←
そしたら、先輩は先輩で私の気付かなかった伏線に気付いてて・・・。
まだ、拾い切れてない伏線があるんじゃないかと思うと、まだ作品に対するドキドキが止まらないの(><*)

この作品の単なるミステリーじゃないところを逆に私は買ってる。
人の命を、そして人生を軽んじることのないミステリー作品だった。



森博嗣の「すべてがFになる」とかも読んでてすごく面白かったし、東野圭吾原作のドラマのガリレオも面白かった。
でも、やっぱり理系ミステリーってどっかチートって言うか・・・専門家でもなければ自分で解けないトリックだったりするから、当然面白くはあるんだけど、「やられた!!」って感動が薄くなっちゃうんだよね。
いや、でも好きだけどね、森博嗣の作品(笑)

因みに、湊かなえは好きじゃない;
前にここでも感想書いたけど。。。
テンポが早くて読み易くはあるけど、登場人物が皆ダメ人間。
最終的に誰一人として救われない感じが嫌い;
少なくとも私は彼女の作品に読んだ意味を見い出せなかったな・・・;

因みに、このドビュッシーで最後まで単なる嫌な奴だった人物がいるんだけど、岬洋介は次回作でキッチリその方の人間性を救います☆
この作者そんなところが私は大好きです(^^)