大学院生の窪居佳那の趣味は、起き抜けのシャンプーと「ドキドキ」を探す事。
悩みはお酒を飲むと記憶喪失と、分からない自分の気持ち。
同じく院生の爽やか青年・鷹野とオタクの水谷、指導教官の相澤、親の知り合いの武蔵坊、公園で犬の銅像を磨く謎の男性。
このドキドキは、恋なのか?
ラブコメ風、ミステリー。
『どきどきフェノメノン』
著者
森博嗣
発行者 株式会社角川書店
ISBN 4ー04ー873599ー3
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
佳那のキャラクターが面白かったです。一つ一つを論理的に考える性格や、裏をかこうと頑張ったりする部分が私とは違う方向だったので、(憧れの教官に見つからない様に変装してまで、クラシックのコンサートを隣で聴いてみたり、花束を渡したり…)自分には思い付かない気持ちの表し方なだけに、こう言う人も居るんだぁなんて思いました。
どきどきを日常に求める事は、決して特別な事ではない様に思うから、佳那がどきどきを作り出そうと行動していたんだろうけど、多分、どきどきを求める人は沢山居ても、ここまで自分で労力をかけてどきどきを作り出す佳那は凄いなと思いました。思った事を実行するのは、中々勇気のいる事だから。
大学院生ってこう言う生活なんだぁ…と発見も多かったです。
水谷君が最後まで気持ち悪くて、どうして佳那は水谷君を嫌っていたのに何故付き合うのかが分かりませんでした。そこだけが納得いかない部分です…が、全体的に、佳那が何か問題にぶつかる度に色々と考えあぐねる姿が興味深い本でした。