複数作家による短編集。
『しあわせなミステリー』
著者
伊坂幸太郎
中山七里
柚月裕子
吉川英梨
発行者 株式会社宝島社
ISBN 978-4-7966-9790-3
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
『BEE』伊坂幸太郎
殺し屋のスズメバチに狙われている、同じく殺し屋の兜。
兜の仕事は、医者という伝言板により成り立っていた。医者がいうことには、医者と言うのは密室で診察し、カルテに専門用語で情報を書き、レントゲンに扮して地図を渡せる最善の職らしい。
兜の家に蜂が出た。蜂の巣を駆除してほしいと妻から頼まれた兜は、スズメバチを退治するなど諦めかけるが、スズメバチを退治した動画を見て、奮起する。
自宅の蜂を倒そうとフル装備で待ち構えた兜の元に、殺し屋・スズメバチが現れる。が、兜のフル装備を見て退却する。
「腕はいいけれど妻に頭が上がらない殺し屋」兜シリーズ二作目。
電車内で抗争を繰り広げたスズメバチの生き残った方の話でした。まさかここで続きを読めるとは思っていなかったので驚きました。
『二百十日の風』中山七里
産業廃棄物処理場を村に建設しようとする村の住人の中に、一人、反対する者がいた。小学校の先生で昔から勉強が出来たという彼女は、環境に与える影響を懸念し、反対しているのだった。
そんな中、かまいたちが起こる。
高田と名乗る彼は、産業廃棄物処理場の建設予定地の土壌から珍しい鉱物を見つける。それを利用すれば、この村は裕福になれる。そう言い残して。
面白くなかった。引っ張り方が長すぎ。きっと産業廃棄物という社会問題に触れたかったんだろうけれど、途中から筆者の意見書でも読んでいるのかと思うくらいつまらなかった。
『心を掬う』柚月裕子
現金の入った郵便物を搾取されている疑惑が浮上した。
容疑者は上がったが、証拠がない。現金だけ抜き取り、手紙と封筒はトイレに流したのだろうという仮説に基づき、紙をさらう一方、確実に搾取出来るよう準備したオトリを容疑者の手元に混ぜる。
予想通り、搾取した容疑者は捕まったのだった。
『18番テーブルの幽霊』吉川英梨
捜査官に舞い込む爆弾事件。
イマイチ入り込めなかった。微妙。
今回の本はハズレだった。伊坂幸太郎の作品を読めたのは良かったけれど、複数作家による短編集だと一作位は及第点をあげられる作品があって然るべきなのですが、今回はなかったです。残念。