辻村深月が選んだ推理小説。
5W1Hをキーワードに、辻村深月が気に入っている推理作家の小説を、簡単な解説と共に載せたもの。
WHEN
〔音の密室〕今 彩
大学の友人が自殺した。彼女に淡い想いを抱いていた男子学生は、彼女が身籠ったという噂を聞き、相手を知る為、彼女の誕生日にボイスレコーダーを仕込んだ時計をプレゼントした。
彼女が自殺した時、男子学生はレコーダー越しに彼女と助教授の揉めている声を聞く。自殺として処理されそうになるが、男子学生は彼女を殺したのは助教授なのではないか?と考え、証言する。
彼女はレコーダーの存在に気付き、助教授が自分と別れ教授の娘と結婚する事に腹を立て、助教授が自分を殺したかのように見せたのだ。
『謎 008 辻村深月選 スペシャル・ブレンド・ミステリー』
日本推理作家協会 編
発行元 株式会社講談社
ISBN 978-4-06-277689-9
辻村深月 選
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
WHERE
〔神風の殉愛〕森村誠一
戦時中、兵隊として駆り出された自分と友人は、そこで理不尽な暴行を受ける。友人は死までの束の間を彼女と小さな命の為に使い、一家で戦死してしまう。
戦後、生き残った自分は、当時自分と友人に暴行を加えてきた上官が面接に来たのを見て、友人の仇をとるチャンスを狙う。
上官に睡眠薬を飲ませ、風邪薬を飲みすぎて運転した事故に見せたのだが、警察にバレてしまう。
WHO
〔猟奇小説家〕我孫子武丸
小説家の家に刑事が訪ねてくる。なんでも、小説家が現在連載している小説と同じ手口で、犯罪が次々と模写するように行われているのだという。
次は小説家の番かもしれないと言う刑事に異変を感じた小説家は、包丁を投げるが当たらず、あと一歩で殺されると思ったところで、小説家の息子が刑事になりすました男を殺す。
夫を始め、猟奇的な小説を書いていると、危ない思考を持つ人達から狙われるのだ。夫や他人の子と同じ様、刑事に成り済ました男を庭に埋める母子。
〔裁かれる女〕連城三紀彦
弁護士の女は自宅で妻が死んでいたが、自分は殺していないと言う男がきっと疑われるから、警察に行く前に弁護士を頼みに来たのだという。
何故私なのかという弁護士に男は、かつて同じ大学に通い、自分をずっと見ていたから、あなたにしたと言われ、困惑する。
弁護士の女は、大学時代からの腐れ縁である男と付き合っていたが、ずっと浮気をされていた。浮気をする男を許せなくて、男を殺してきたばかりだった。
男の話を聞くと、自分がまさにさっき殺してきた男が、男の妻なのではないかと考え始めた弁護士は、男が、妻の事をゲイだとばらされたくないから、自分が犯人だと名乗り出ると言い出す。自分を弁護してくれ。そう言われ、弁護士は困惑する。
後はパラパラ読んでみたが、面白くなかったので、省略。
WHAT〔仰角の写真〕日下圭介
WHY〔みぞれ河岸〕都筑道夫
HOW〔背信の交点〕法月綸太郎