迷い、揺れ、苦しみながら選びとった、これがわたしの生きる道。新たな出会いと出発の物語
(帯より)
『Re−born はじまりの一歩』
著者
伊坂幸太郎
瀬尾まいこ
豊島ミホ
中島京子
平山瑞穂
福田栄一
宮下奈都
発行元 実業之日本社
ISBN 978-4-408-53525-8
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
『よろこびの歌』宮下奈都
バイオリニストの母を持つ娘は、自分にも当然、音楽の才能があると思っていたが、音楽の学校の受験失敗から、才能がないと気付く。
音楽が好き、その気持ちをもう一度取り戻し、合唱コンクールの失敗を踏まえて成長する。
『あの日の二十メートル』福田栄一
大学生の俺は、大学にも行かず、市民プールに通う日々だった。
ある日、泳げるようになりたいから、水泳を教えてほしいと老人に頼まれ、快諾する。教え始めてしばらくすると、老人の孫がやって来て、老人は心臓に持病があり、運動を止められているのだと聞く。家族の反対を振り切ってまで泳げるようになりたい理由を聞く俺に、幼い頃、川で兄と遊んでいた時、足を滑らせて溺れ死んだ兄を、何度も夢に見るから、夢の中で助けたいというのだ。
老人との水泳教室が途絶えた頃、孫から老人が亡くなったと聞く。老人は亡くなる前、夢で兄を助けられたと聞いた俺。
『ゴーストライタ―』瀬尾まいこ
顔も要領も良い兄は、子供の頃から文章を書く事にたけていた。読書感想文が苦手な同級生から、代筆をして儲けていたくらいだ。東京に上京し、専門学校に通う事になった兄に、せめて気持ちを伝えたいと、俺の同級生は俺にラブレターの代筆を頼む。
一緒に暮らしているのだから、沢山ラブレターを貰ってきた兄の心に響く文章を書けるだろうと見込んだ同級生。しかし、俺は兄と仲良くなかった。
兄と荷造りをしながら話した事を参考にラブレターを代筆した俺は、兄にあっけなくバレてしまう。兄はいけすかない奴だったが、それでも兄がいなくなるのは寂しかった。
この話が一番好きだなぁ。兄弟っていいな。と思えた。
『コワリョーフの鼻』中島京子
鼻にシリコンを入れていた私は、その事を夫に秘密にしていた。しかし、整形をすればメンテナンスが当然必要になる。夫に鼻の事を打ち明けた私は、秘密を話した事で近付く夫婦の距離。
『会ったことがない女』平山瑞穂
マリコの身体に取り付いたハルという女は、マリコにある条件が満たされた時だけ、まるで二重人格の様に現れる。
しかし、マリコは子供を産んだ途端、その力が無くなったという。そしてマリコの孫にもその能力があるのではないかと考えて訪ねてきた老人の夢を壊さないよう、孫はハルが乗り移ったフリをして演技した私。
『瞬間、金色』豊島ミホ
中学の頃、転校ばかりだったシンジュは、クラスでハブかれているナナミをカッコイイと思い、友達になる。仲の良い友達だったつもりが、ナナミの事を何も知らなかったシンジュだったが、ナナミに子供が出来た事で、また親交が深くなる。
『残り全部バケーション』伊坂幸太郎
早坂家最後の日、秘密を暴露し合おうと提案するが、家族の秘密など、本当はとっくにバレているもんだ。
友達がほしいのだという父と巻き込まれる物語。詳しくは、読んだことあるので割愛します。