裏表紙より
いつか、君とまた向かい合える日がきたら、伝えたい言葉が私にはある。かけがえのない想いを抱える「少女たち」の物語。
てっぺん信号 三浦しをん
美人の友達に好きな人を取られたブスの自分。人生の先輩が真実を教えてくれたお陰で、美人じゃなくても一歩踏み出せるという事を知る。動かなければ、何もやってこないのだ。
きよしこの夜 島本理生
いつも輝く様に人の中心にいた姉がいじめられ、不登校になり自殺した。姉が死んだ事で必要以上に過保護になってしまった様に思い、母をうるさく感じていた私。母の心配を振り切り、友人だけでキャンプにいく。
告白された男の子にフラれ、憑き物が落ちた私は母と和解し、姉のお墓参りをする。
『いつか、君へ Girl』
編者 ナツイチ製作委員会
著者
三浦しをん
島本理生
関口尚
中田永一
橋本紡
今野緒雪
発行元 株式会社集英社
ISBN 978-4-08-746844-1
カウンター・テコンダー 関口尚
テコンドーのコーチをしていた男と公私共に共存し、婚約までしていたが、同じテコンドーの選手に鞍替えしたコーチを見返したいとやってきた女。
星の王子様が好きだったというコーチは、他の女に心変わりした後も女に優しかった。それは星の王子様が、自分が関わった全ての者に責任を持つという姿勢に共感したからだという。えらく偏った考えに陥ったコーチだったが、それでも彼への怒りは消えなかった。
宗像くんと万年筆事件 中田永一
父が不倫し、母と私を捨てていった為、母子家庭になってしまったが気丈にやってきた。しかしそんな私のランドセルに、クラスメートが父から貰ったと大切にしている万年筆が入っていた。
先生までもが自分を疑い、クラス全員から白い目で見られ続ける恐怖から、学校へ行けなくなってしやう私。貧乏で身なりも汚い宗像くんは、家族の為にソープランドで働く姉への切手代を貸したことがある私に、万年筆を盗み、私に罪を被せた犯人を探すと言ってくれた。
真犯人は父が不倫していた女の息子で、父が母と私に養育費や慰謝料を払っており、お金に困っている事を恨んだのだ。
クラスメートの前で真犯人を突き止めた宗像くんは、やがて夜逃げの様に転校しいなくなってしまう。たった10円、しかも転校する前に返してくれたのに、私の為に震える手を隠して頑張ってくれた宗像くんを、私は大人になった今も忘れない。
薄荷 橋本紡
“好きなものだけを、好きなように食べていたら、新しい味を知らないままになってしまう。気楽だけど、それが正しい事だとは思えない。”
大検を1年でパスした中学の同級生・ナラオカジは、大学受験資格の年齢になるまで、海外に行くと言い、アルバイトしてお金を貯めている。
ナラオカジの考え方や行動力に感心する私は、同時に、自分がナラオカジと同じ生き方は出来ないと知っている。普通の人生を歩む自分が、私は嫌いじゃないのだ。
ねむり姫の星 今野緒雪
SFの世界観がすごくて、ちょっとついていけなかった。