才能伸ばす為にやってくる揺りかご組、帰る場所がない墓場組。日によって男にも女にもなる校長が取り仕切る学園には、二月にやってくる転校生は、災いをもたらすとされていた。

校長の沢山いる子供の一人・理瀬は、れい子に殺されかけ、一年の記憶を失ったが、やがてこの三月の国を継ぎたい理瀬にとっては些末な問題だった。

自殺なのか他殺なのか次々と生徒が死に、理瀬は自分との戦いを始める。

百合の骨みたいなタイトルに出てきた理瀬と同じ名前だし、きっと繋がりがあるのだろうと思って読んだら、ひたすら怖い話だった。


『麦の海に沈む果実』
著者 恩田陸
発行元 講談社
ISBN 4-06-273927-5