主人公・オスカーは理系の大学生。寮制の大学らしく、同室のユーリと仲良く暮らしていた。
同級生・トーマから届いた、遺書になってしまった手紙。
それがきっかけでなのか、ユーリの様子が何か変だった。
そんな中、トーマと瓜二つの転校生・エーリクが現れて…。
『トーマの心臓』
著者
森博嗣
原作 萩尾望都
発行者 株式会社メディアファクトリー
ISBN 978-4-8401-2867-4
以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
「この手紙で最後です。」と書かれた短い詩の様な文章で、抽象的な言葉ばかりだった。例外と言えば「僕の心臓」という部分のみだが、それすら比喩の様に思えた。
トーマは自殺したらしく、トーマの遺書なのかその手紙はユーリに届いた。ユーリはいつもトーマからの手紙は読まずに破り捨てるのだが、オスカーの勧めもあり、最後の手紙を開けたのだった。
時期外れの転校生はトーマに瓜二つのエーリク。ユーリは極力エーリクに関わろうとせず、オスカーは妙なきっかけでエーリクと話す様になる。
世間知らずのお坊っちゃんと言ったキャラクターのエーリクは、最初こそクラスメートや寮生といざこざがあったが、やがて人気者となった。
秀才とうたわれていたユーリと同じくらい出来るエーリク、そしてユーリは人気者から外れていく。
だが、少しずつ自分の中のシコリと戦って、三人が仲良くなって物語は終わる。
母を撃った育ての父親は、血縁上の父である大学の教授にオスカーを託す。
ユーリは神父になる為に、別の学校に転校したし、ユーリとオスカーは二人でまた同室となった。
“子供、少年、童心、無邪気、甘え、素直、消えていくそんなものたちの影。
それらを持ったままでは生きられないのだから、いつかは脱皮する様に払い落とさなければならないものなのか”
印象的な文章でした。想像力が足りないのか、世界観がイマイチ想像出来なかったけれど、まあまあじゃないかな。もう一度読む気力は起こらなかったけれど。苦笑