妄想薄桜鬼

※斎千。オフィストリオ。


「でさぁ、マジで聞いてくれる？」
「はいはい、聞きますって。なんすか、朝っぱらから」

「────おはようございます」

「あ、おはよーっす。斎藤さん、いいところに」
「はよー、斎藤」
「……？二人で何の話をしていたのですか？」

「いや、話自体はこれからっす。ただ、週明けの先輩の『ちょっと聞いてくれ』は大体面倒な話だから、俺一人じゃ耐えきれないなと思って」
「おい、それじゃまるで俺がいつも面倒な話をしているかのような言いぶりじゃないか？」
「そうっすよ」
「否定しろよ！」

「で？ 先輩は何の話をしたいのですか？」

「おぉ、そうだった。斎藤も聞いてくれ。俺、この前の土曜に某ネズミーランドの最寄り駅に行ったんだよ」
「一人でネズミー行ったんすか？ 勇者すか？」
「ちげーよ！ その最寄駅の近くに俺の昔の友人が住んでんの！ で、そいつに会いに行ってきたんだけどよ……」
「そいつに彼女出来てムカついたとかっすか？」

「ちげーよ！ 最寄駅に降りてみたらどこを見てもカップルしかいなかったんだよ！」

「あぁ、それでムカついたって話っすか。大体合ってるじゃないっすか」
「合ってねーだろ。お前、ちゃんと俺の話聞けよ。俺はネズミーとは全く無関係にその駅を利用したのに、右を向いても左を向いてもカップルが手繋いでいちゃいちゃいちゃいちゃしやがって……！ ムカつくだろ！？」
「でも、あそこはデートの定番っすよ」
「俺はもう何年も行ってねーよ！ 悪かったな！」
「先輩、要は見たくもないカップルのいちゃいちゃを見せつけられてムカついたって話っすよね？」
「お前だって、一人で歩いててそういうの見たらイラッとすんだろ！？」
「いや、俺は別に。他人は他人っすから」
「お前、そういう時は嘘でも俺に同意しろよ」
「つーか俺、彼女いるっすから。いちゃいちゃする側っすから」
「かぁーっ！ これだよ、何かあれば彼女いるから発言な」
「先輩、カップル見た数が多すぎたせいか、やさぐれ過ぎっすよ」
「マジでリア充滅べよ！ 俺の為に！」
「先輩がリア充になれば一番みんなが幸せになれるっすよ。……あぁ、でも難しそうっすね」
「憐みの目で俺を見るなよ！ くそっ、それもこれも土曜に大量のリア充共を見たせいだ」

「そういえばさっきから斎藤さん無言っすけど、どうしたんすか？」
「そーだ、斎藤。お前も何か言え。お前もリア充だが俺の気持ちくらい分かるだろ」

「……俺、実は土曜にネズミーランド行ってきたのですが」

「なっ！？」
「斎藤さん、それって彼女とっすよね？」
「あぁ。久しぶりに行きたいと千鶴が言ってきてな」
「斎藤さんって、ああいうところではしゃいだりするんすか？ ……いや、しなさそうっすよね。はしゃぐ彼女を見守ってる感じ」
「まぁ、間違ってはいない。……で、そのネズミーランドの土産を買ってきたのだが……」
「マジっすか！ わー、ありがとうっす！」

「でも、リア充共にムカついた先輩はお土産なんていらないですよね」

「なっ！ 何てこと言うんだ斎藤！ 俺だって土産欲しい！」
「ですが、先輩のムカついたカップルの中の一人ですし、そんなムカついた相手から土産なんて欲しくないでしょう。先輩は甘いものが好きだからとこうして先輩用に別個買ってきましたが……不要でしたね」
「だあああああ！ 待って斎藤！ 俺、リア充は今でも滅べば良いと思ってるけど、土産はいるから！ 斎藤たちは駅降りた時に見なかったし！」
「先輩、必死過ぎっすよ。お土産くらいで」
「お前、分かってないな！ 俺はあそこの土産ものは大好きなんだよ！」

「リア充にムカついたり、土産は欲しかったり、先輩ってホント面倒っすよね」



→先輩、今年も頑張ってほしいです。

※SSL。一年コンビ。


「…………はぁ」

「なんだよ、新学期早々溜め息なんて吐いて」
「お前はいいよな、井吹。悩みなんてなさそうな頭で」
「…悩みなんてなさそうな顔って何だよ」
「そういう顔だ」
「南雲、お前なぁ…俺にだって悩みの一つや二つ……って、そんなことはまぁいい。お前に言ったところで────」
「なぁ、お前に一つ相談してもいいか？」
「あ？ あ、あぁ、構わないが……何だ？」

「妹に近付く者を抹殺する方法」

「きゃ、却下だ！」
「何でだよ」
「何でってお前、抹殺なんて出来るはずないだろ！」
「やる前から出来ないって言うのはよくないだろ。何事も挑戦が大事だ」
「いやいや！ やる前に思い留まるべきだろ！」
「この世から、妹に近付く人間全てを抹殺出来たら、俺の悩みはなくなるんだ」

「お前……もしかしてさっきから、雪村に近付く奴らを抹殺する方法で悩んでいたのか？」

「そうだけど」
「もっとまともなことで悩めよ！」
「至極まともなことだろ。あれだ、お前には妹がいないから俺の気持ちは分からないんだ」
「そりゃ、分かるかって言われたら……分からないかもしれないけどよ。でも、そんな近付くだけで抹殺だなんて物騒にも程があるだろ」
「じゃあ、どうしろって言うんだよ」

「見守るとか」
「見守った結果、抹殺するなら先に抹殺すればいいだろ」
「じゃあ、せめて妹に近付く、じゃなくて妹に手を出すやつ、に変えたらどうだ」
「そいつは抹殺とかそういうレベルじゃない。生きた歴史さえも消す」
「当たり前のように言うなよ」
「当たり前のことなんだから仕方ない」

「はぁ……俺、あんたの将来が心配だよ」

「お前に心配なんてされたくないね」
「なぁ、例えばだけど、もし雪村に『そんな薫なんて大っ嫌い』とか言われたらどうするんだ？ それでもお前は妹に近付く奴らを抹殺していくのか？」
「………………」
「おぉ……考えている。ということは、雪村から正式に南雲に注意してもらえば────」

「あっ、薫に井吹君じゃない。元気〜？」

「あ、沖田」
「……っ！ 沖田……だと……？」
「いや〜さっき千鶴ちゃんの教室行ってきたんだけど、そーっと近付いて後ろからいきなり抱きついたら千鶴ちゃんとは思えないようなびっくりした声出してさ〜もう面白くて面白くて」
「なっ！？ あんた、何でこのタイミングでそんなことを────」

「お〜き〜た〜！ やっぱお前だけは抹殺する！ 妹が何をどう言おうとお前だけはこの世から抹殺しないと気が済まない！」

「何のことか分からないけど、抹殺なんて物騒なこと止めて、千鶴ちゃんのことは僕に任しなよ」
「お前に任したらこの世の終わりだろうが！」
「終わりじゃないよ。あ、いや、友達っていう関係は終わりかな。これから恋人同士になるならね」
「てんめぇええええええええ！」
「あはははは！ こっちこっち〜」

「……せっかく雪村から一言言ってもらおうと思ったが……こりゃ暫く放っておくしななさそうだな。はぁ……」



→新年早々残業＋体調ぶっ壊し＋残業＋レディースデーで死んでました。
残業は明日以降も止めどなく続きますが、体調が回復したのとレディースデーが終わったのが幸いです。
今、インフル等流行っておりますので、注意しなくては。

※SSL。2-1コンビ。


「おい、総司。どーすんだよ」
「どうしようねぇ」
「お前、真剣に考えてる？」
「考えてるよ。考えてるけどでも……」
「でも……？」

「何をどう考えたって、明日から新学期なことは変わらないよね」

「お前、マジで絶望的なこと言うなよ」
「だって事実だし」
「何でお前そんな落ち着いてんの！？ オレたち、宿題真っ白なんだぞ！？」
「時間って……残酷だよね」
「いや、冬休みに遊びまくって何もしなかっただけなんだけどな」

「そもそもさぁ、冬休みってそんなに長くないでしょ」
「2週間程度だもんな」
「その中に、クリスマスやら年末年始やら、色々あるわけだよ。もう、宿題とか勉強とか、そういうのを自分の生活の中に入れる余裕なんてないわけ」
「あー、分かる分かる。年末年始なんて、宿題とかやる気ゼロだよな」

「何で皆が年末年始でワーキャーしてて、TVでは特番ばっかりやってておめでたいムード一色な中、一人悲しく宿題とかしなくちゃいけないの？って純粋に思うよね」

「そんな中で宿題出すって、結構先生って鬼畜だよな」
「特に土方さんね。あの人のせいで他の先生も宿題多めに出してるんだから」
「マジかよ！？」
「マジマジ。そうらしいよ。ほら、新八さんとかそうでしょ」
「確かに新八っつぁんにしては多いとは思ってたけどさ…土方さん、オレらに恨みでもあるのかよ！」
「宿題なんてさ、多く出せば出すほど、新学期になってから先生がチェックすることが多くなって困るのは先生たち自身だってことに何で気付かないんだろうね」
「それ、宿題出る前に新八っつぁんあたりに言ったら減らしてくれてたかもしんねーな」

「で。さしあたっては目の前にある真っ白な宿題の山、なんだけど」
「今から頑張っても終わらないだろーな」
「今から頑張る気、あるの？」
「正直言うとねーな」
「僕もないね。じゃあ、写すしかないよね誰かのを」

「一君に頼るとか？」
「一君、写させてくれると思う？」
「思わない。むしろ説教モードに入って写す時間なくなると思う」
「じゃあ山崎君？」
「説教モードはないかもしれないけど、素直に貸してくれなさそうだよね」
「それ、総司の日頃の態度が原因じゃねーの？ つーか写せないじゃん」

「じゃあ、仕方ない。僕ら明日は風邪で休みってことにしようよ」
「おー！ でも、一日休んだくらいじゃあ、宿題終わらね―だろ」
「大丈夫。火曜に学校行って、宿題出せって言われても『後で持って行きます』とか言ってその場を凌いでおけばあと3日はどうにかなるから」
「総司……お前マジで頭いいな！」

＊＊＊

「……？ どうした、トシ。おかしな顔をしているが」
「いや、何でもねぇ……んだが、嫌な予感がするな」
「新年からそんなことを言うもんじゃないぞ。明日から新学期だからな」
「分かってるよ、近藤さん。………………気のせいなら良いんだがな」
「トシ、さぁもう一杯いこう。な！」
「近藤さん、明日から新学期だって分かってんのか？ ………………一応、後で総司んちにでも行ってみるか」



→二人が一緒に休むとすぐにバレる。多分補習行き。

※SSL。剣道部トリオ。


「おっはよー！ 新年早々部活ってなんかやる気出ないよなー」

「お正月は炬燵に入ってお餅食べながらのんびりしたいもんね」
「…そうやっていつまでもだらけていると、新学期に入ってから正月ボケだなんだと言われるのだ」
「一君は正月ボケとかなさそーだよな」
「一君は正月とか関係なくボケてるよ」
「……どういう意味だ？」
「一君はボケ担当ってこと」

「あっ、それよりもさ！ ほら、これやるよ二人とも！」
「……年賀状だな」
「年賀状だね」

「いやー、去年のうちに出せなくてさー。でも、二人にはどうせ部活で会うんだし、その時渡したって別に良くね？って思って、そのまま持ってきた」

「いや、別に良いんだけどね、平助。僕なんか書いてもないし」
「…総司は書こうという気すらなかったのか」
「うん。だって、年賀状書くの面倒だったし、僕が送った年賀状のお年玉がもし当たってたら嫌じゃない」
「意味が分からない」

「僕が送ったのに、その人が当たっても僕の手元には何もないんだよ？ 理不尽でしょ」

「それは総司の元に届いた年賀状でも同じことが言えるだろう」
「それはそれ。これはこれ、だよ」
「それこそ理不尽のような気がするが」

「それにしても平助の年賀状、何で今年午年なのに羊までいるの？」
「あぁ、それは────」
「…どうせ、来年もこれ使えばいいや、とでも思っているのだろうな」
「何で分かったんだよ、一君！？」
「平助の考えそうなことくらい、容易に想像がつく」
「そんなに面倒なら僕みたいに書かなきゃいいのに」
「でも、一応新年の挨拶ってちゃんとしとかないとって思うじゃん？」

「ちゃんとねぇ。あ、ちゃんとと言えば、一君がくれた年賀状なんだけど」

「……？ 何かおかしなところがあっただろうか？」
「おかしいところっていうか、何て書いてあったのか読めなくて」
「あ、オレもオレも。一君、筆で書いてるから読めなくてさー」
「ちょっと待ってねー。画像画像…あ、あったあった。ほら、これ何て書いてあるの？」

「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。と書いてあるが」

「はぁ！？ めっちゃ普通じゃん！」
「そうだね、全くもって普通だね。ただ達筆だったってだけかぁ、面白くないなぁ」
「……普通が一番だろうに。何故俺が奇をてらって面白い年賀状を書いている、などと思ったのだ」
「いやー、筆で上手く読めないのをいいことに、暗号とかそういうの入ってたりすんのかなーって」
「何故、新年早々に推理をさせねばならん」
「だってほら。一君はボケ担当だから」



→ボケはボケでも真面目ボケだと思っています。

※SSL。斎千。


「一先輩、あの、お誕生日おめでとうございます！」
「あけましておめでとう、よりも、そちらが先なのだな」
「えっ？ ……あっ、す、すみません。そうですよね。新年の挨拶の方が先ですよね」

「あぁ、いや、そうではない。新年の挨拶よりも俺の誕生日を先に祝ってくれたことが嬉しい、ということを伝えたかったのだが……」

「そうだったんですね。……よかった」
「俺の伝え方が悪くて誤解させたな、すまない」
「いえ、そんなことは…！ あの、改めてお誕生日おめでとうございます。それと、新年あけましておめでとうございます」
「…ありがとう。そして、あけましておめでとう。今年もよろしく頼む」
「はい、こちらこそ、よろしくお願いします」

「それで、千鶴。その……俺の誕生日の────」

「あ、はい。プレゼントですよね！ 先輩のお口に合うか分かりませんが、常々豆腐を使って何かお菓子が作れないかと考えておりまして」
「豆腐を使った、お菓子……？」
「今回は豆腐を使ったクッキーとパウンドケーキを作ってみました。受け取っていただけると嬉しい、です」
「…ありがとう。有り難く頂くとしよう」
「ありがとうございます！」
「何故お前が礼を言う」
「受け取ってくださったからです」
「……お前がくれたものを要らないなどと言うことはない」
「それでも、です」
「そういうものなのか」
「はい」

「しかし、千鶴の手作りのお菓子か。嬉しいが、食べるのが勿体なく感じるな」
「た、食べてくださいね？」
「冗談だ。きちんと食す。……まだ先だが…お前の誕生日には何をやれば良いだろうな」
「え？ 私の誕生日ですか？」
「何か欲しいものがあれば予め言ってくれていい」
「欲しいものなんてそんな……」
「まぁ、今すぐには思い付かないだろう。ゆっくり考えてくれると嬉しい」
「…………あの」
「ん？ どうした」
「何でも……いいですか？」
「……あまり高価なものは困るが、お前が欲しいものは出来るだけ用意をしようと思っている。……参考までにどんなものか聞いておいてもいいか？」

「……時間」

「……時間？」
「先輩との時間が欲しい…です」
「なっ……」
「あの、先輩が忙しいのは分かっています。風紀委員のお仕事もありますし、部活動もありますし。でも……私の誕生日の日だけは……先輩を長い時間、一人占め、したいです」
「………………」
「……す、すみません！ 我が儘言ってますよね、私────」

「あまり可愛いことを言ってくれるな。……理性が効かなくなる」
「……っ、あ、あの」
「すまない。そのようなことを希望してくるということは、それだけいつも千鶴に寂しい思いをさせているということだな」
「ち、違います！ 私、そういうつもりじゃ────」
「いいんだ。ただ……申し訳ないという気持ちと同時に、嬉しくてたまらない気持もある」
「先輩……」

「……お前との時間は互いが負担にならない程度で出来る限り作ろう。勿論、誕生日にも、だ。だから、誕生日プレゼントは別のものをリクエストしてくれると嬉しい」
「は、はい、分かりました」
「それと……」
「……？」

「今日の俺の誕生日プレゼントを追加したい」
「追加、ですか？ それってどういう────」

ちゅっ

「……こういうことだ、────んっ」
「んぅ……っ」
「……回数は、制限なしでお願いしたい。…ダメ、だろうか」
「…………ダメじゃない、です」



→随分遅れましたが、斎藤さんお誕生日おめでとうございます！

遅い挨拶ではございますが、新年あけましておめでとうございます。
去年は転職、引っ越しと色々とバタバタしていたので、
今年は腰を据えて色々なことが出来たらいいなと思っています。
今年の目標は『時間の使い方を上手くなる』です。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

※SSL。ツインズ。


「ムカつくな」

「きゅ、急にどうしたの？」
「お前が楽しそうにしているのがムカつく」
「そんなこと言われても……」
「お前が楽しそうにしている原因が沖田だってのがムカつく」
「もう、また沖田先輩のことそうやって悪く言って」

「そうやっても何も、あいつが悪いんだから仕方ない」
「もうちょっと仲良く出来たりしないの？」
「あいつと？ ハッ」

「は、鼻で笑われた……」

「あいつと仲良くするくらいなら、清水の舞台から飛び降りる方が遥かにマシだ」
「何でそんなに沖田先輩のこと嫌いなの？」
「全部。全て。何もかも」
「優しいと思うんだけど……い、意地悪もされるけど」
「ほら！ そういうとこだよ！」

「えっ？ な、何が？」
「そうやって、あいつのこと意地悪だとか言いながらも頬染めて嬉しそうにするお前がムカつく！」
「だって、付き合ってるんだから────」
「だああああああ！ それ以上言うな！ いいか？ お前はあいつに騙されてるんだ。いい加減に目を覚ませ。じゃないと、後で痛い目に合うぞ」
「騙されてなんてないよ」

「お前はホントのあいつを知らないからそうやって呑気にしていられるんだ」
「そうかなぁ。先輩はいつもあんな感じだから────」

「で？明日はどこに行くつもりなんだ、あいつと」
「映画観に行って、その後はぶらぶらしながらどこかでお茶…かな？」
「薫……」
「なに」
「なんか楽しそう、だね？」
「そう？ お前の気のせいじゃない？」
「そ、そう？」

＊＊＊

「ねぇ、千鶴ちゃん」
「なんですか？」
「僕、さっきから変な視線を感じるんだけど、気のせいかな」
「変な視線？」
「そ。映画観てるつもりなんだろうけど、何となくこっちを見てるような、そんな感じ」
「沖田先輩のお知り合い…でしょうか？」
「いや、何となく誰かは分かってるんだけど……どうしたものかなぁ」



→ついてきてます。確実にお兄さんついてきてますそして睨んでます(笑)

※SSL。2-1コンビ。

「なぁ、総司」
「なーに、平助」
「今日って、お前んちで冬休みの宿題片付けようってなって、オレは今、総司んちに来てるんだよな？」
「うん、そうだよ。僕らにしては珍しく今年のうちに終わらせようってなったんじゃない。忘れたの？」
「忘れてねーよ。つーか、忘れてんのはお前だろ！」
「え？」

「何でオレはお前んちに来て、お前の部屋の掃除してるわけ！？」

「年末といえば大掃除だよ、平助」
「あぁ、そうだな。でもオレがお前の部屋を掃除する理由はないよな」
「片付けないと宿題出来ないから」
「普通に片付いてんじゃん！ 綺麗じゃん！」
「物は片付いてるけど、掃除してないから」
「だからってそれをオレにさせんな！ オレ、一応来客じゃん！」
「来客だからって、良い気にならないでよね」
「言ってる意味わかんねーんだけど！？」

「まぁまぁ。僕も頑張るから早いとこ終わらせようよ」
「お前に言われると腹立つな」
「ところで平助」
「……なんだよ」

「大掃除中に漫画を見つけると、途端に読みたくなるのは何でなんだろうね」

「知るかよ！ つーか、何座って漫画読んでんの！？」
「だって読みたくなって」
「そこをグッと我慢して片付けるんだろうが！」
「平助だって、自分の部屋ならしてるでしょ？」
「そりゃするけどさ、オレは掃除してんのはお前の部屋なんだけど」
「平助、頑張って」
「お前マジであとで飯奢らせるからな！────あっ」

「なになに？ 何か見つけた？」
「いや、本棚の後ろにこれが落ちてた」
「うわ。テストの答案じゃない。何で見つけるの」
「お前に言われて掃除してたからなんだけど！？」

「しかも古文だし。うわー、最悪」
「何。点数悪かったわけ？」
「点数じゃなくて、裏」
「裏？」

「土方さんを描いた絵のレベルが低い」

「しらねーよ！ 何でそこに落ち込むんだよ！ 0点の答案に落ち込めよ！」
「0点なんて気にしてたら人生生きていけないよ」
「何でお前0点とってそんなポジティブなわけ！？」
「そんなこと心配してたら人生つまらないよ。────あ」

「なに、何かあったのかよ」
「平助の答案もあった」
「何で！？」

「たぶん、平助の答案の裏に落書きしようとしてそのまま持って帰ってた……のかな？」
「はっきり覚えてろよ！ つーか、何で持ち帰っておいて本棚の裏にあるわけ！？」
「いらなかったからかな」
「返せよ！」
「いるの？」
「いるに決まって……いや、あんまりいらないっちゃあいらないけど！」
「じゃあ、よかったね。捨てよう捨てよう」

「……なんか今日の総司、オレに対してあたりがきつくねーか？ 急に掃除させるしさ」
「そう？ 普通じゃない？」
「いや、絶対そうだって！ あっ、あれか！ オレがお前んちにきた時に千鶴と電話してたからか！」
「……平助、今からその格好で外で遊んでこようか」
「は！？ ちょっと待てって！ オレ、掃除中だから暑くてTシャツだけなんだけど！」
「うん。それで遊んできなよ。掃除嫌だったんでしょ？」
「いやいやいや！ 風邪引く！ 絶対引く！」
「良いんじゃない？ どうやらバカは風邪引かないみたいだし」
「お前、絶対オレが千鶴と電話してたのが原因だろ！ あれはただ餅多く買い過ぎたからお汁粉食べにこないかって言われただけで────」
「平助、そのTシャツも脱ぎなよ」

「上半身裸で外出ろってか！ ただの変態だろオレ！」



→暫く更新できずにすみませんでした<(_ _)>
あと、本館の方でも、日は過ぎましたがクリスマス斎千SS（今宵☆）をUPしました。

※SSL。剣道部トリオ。


「世の中平等だなんだと言われてるけどさ、何をどう足掻いても世の中は不平等なんだよ」

「そうだね、世の中っていうのは非情だよね」
「だろ？ マジでないわホントないわ」
「僕はこの世の歪みについて、国をあげて追求すべきだと思うよ」
「オレ、外を歩くのが嫌になるくらいだぜ」
「僕は空気を吸いたくもないよ」
「TVも見れないよな」
「見たら世の非情を垣間見ることになるからね」

「……先程から、お前たちは何の話をしているのだ？」

「一君……一君はこの苦しみが分からないのかよ！」
「苦しみ……？ そんなに部活が嫌なのか？」
「部活なんていくらでもあって良いんだって！」
「平助、やめなよ。一君は僕らと同じ側にいながら、僕らの悲しみ苦しみは分からない稀有な存在なんだから」
「総司……そうだよな。一君はそういうヤツだもんな」

「……何が何だかよく分からないが、少々馬鹿にされていることだけは分かる」

「馬鹿になんてしていないよ。どっちかって言うとその逆」
「逆……？ ますます分からん」

「一君は何も感じないのかよ！ 世の中はやれクリスマスだ年末だって浮かれてはしゃいで笑ってるってのに、オレらはこれから期末テストが待ってんだぜ！？」

「……？ そうだな」
「それだけかよ！ 何で世の中が一年で最も浮かれているこの時期にオレたちはテストなんて受けなきゃいけないんだよ！」
「二学期の締めくくりなのだから当然だろう」
「そういうんじゃねーんだよ！ なんつーかさぁ、なぁ総司！」

「そうだね。僕たちははしゃぐことも浮かれることも許されず、明日から試験週間だからって部活で汗を流すことも許されず……。こんな、人間の血が流れてるとは到底思えない所業を、一君は黙って受け入れるって言うの？」

「仕方ないだろう。この時期学生は試験に終われるのだから。それに、去年も同じように試験を受けていただろう。何故今年はそのように試験を毛嫌いするのだ」

「去年は赤点取ってもプリント提出だけで済んだからだよ！ 今年は冬休み返上で補習だぜ！？ やってらんねーっつーの！」
「僕らから冬休みを取るなんて、人間のすることじゃあないよね」
「……それならば、勉強して赤点を取らなければ良いだけの話だろう」

「おい、聞いたかよ総司！」
「うん、聞いた。まるで空気を吸うみたいに赤点回避しろって言ったね」
「何もそこまでは……」
「オレらが赤点回避するのにどれだけの苦しい夜を越えると思ってんだよ」

「そうだよ。ホント僕らは赤点回避するのに愛しさと切なさと心強さを兼ね備えて────」
「おい、それ曲名だろ」

「じゃあ、愛と勇気だけが友達で────」
「泣いてる子にパン分けに行ってこいよ」

「それなら、ハムとチーズとレタスと────」
「サンドイッチでも作るのかよ」

「総司、平助……実はそんなに焦っていないのだろう？ 漫才を始めるくらいなのだから────」
「何言ってんだよ一君！ 現実逃避だって何で分かんないんだよ！」
「現実から逃げたい若者の切なる叫びだよ今のは」

「……俺にはどうにもただ遊んでいるだけにしか見えないが……」



→マジで本気でガチで現実逃避したいです（仕事的な意味で）

※SSL。平千。


「はぁ…、何もこの日に押し付けなくてもさぁ」

ガラッ────

「平助君、いる？」
「えっ？ 千鶴？ 何でここに！？」
「平助君の教室行ってみたらカバンだけ置いてあったから少し待ってたんだけど、そうしたら図書室行けばいるって教えてもらって」

「そっか。ごめん、連絡出来なくて。携帯、教室に置きっ放しにしてたからさ」
「ううん、それは良いんだけど…どうして平助君が図書室で本の整理してるの？」
「そう、それなんだけど聞いてくれよ。オレ今週掃除当番じゃん？ で、さっきゴミ捨て行って、いざ教室戻ろうと思った時に新八っつぁんに出くわしてさー」
「永倉先生に？」
「そ。で、新八っつぁんったら────…

『よっ、平助！ お前ちょうどいいところに！ ちょいと手伝ってくれ！』
『はぁ！？ なんなんだよいきなり！？』
『実はよ、土方さんに図書室の本の整理しておけって頼まれたんだけど、俺仕事溜まっててそれどころじゃなくてな。で、物は相談なんだが、平助。お前、代わりに本の整理、してくれねぇか？』
『はぁ！？ 嫌だし！ オレだって放課後は色々と用事が────』
『そこを何とか！ な！今度ラーメンでも奢ってやるからよ！ ってことで、あとよろしくな！俺も後で手伝いに行くから！』
『ちょ、待てって新八っつぁん！』
『いいかー！ 勝手に帰ろうとすんなよー！ 俺を見捨てるなー！』

────ってなわけで、無理矢理本の整理させられてるってわけ」
「そうだったんだ…。そういえば私、帰り際に原田先生が『新八、今日は帰れないかもな』って独り言言ってるの聞いたんだけど、もしかしてこのことなのかな」
「かもな。ホントはこんなのサボって帰りたいんだけど、放って帰ったら後で新八っつぁん煩いだろうし」

「平助君、私も手伝うよ」

「えっ！？ でも千鶴が頼まれたわけじゃないし────」
「でも、二人でやった方が早く終わるよ」
「そりゃそうだけど……」
「じゃあ決まりだね。こっちにあるのを運べばいいの？」
「あぁ、頼む。……ありがとな千鶴」
「ううん、気にしないで」

「つーか、ごめん。今日は二人で遊びに行く予定にしてたのに」
「そんなの、また今度で良いよ」
「でも千鶴、今人気のあのパンケーキの店、行ってみたかったんだろ？」
「うん、美味しそうだったから。でも、別に今日行かなきゃダメってわけじゃないし、平助君が気にすることないよ」
「そう言ってくれると嬉しいけど……はぁ、せっかく部活ないから千鶴と帰れるってのにさー」

「もうすぐ冬休みだし、そうしたらもっと沢山遊べるよ」
「そうだな。冬休みなら誰の邪魔も入らないだろうし、千鶴とゆっくり遊べるな！」

＊＊＊

「……嫌な予感がする」
「……？ いきなりどうした、南雲」
「別に。ただ、何か嫌な電波が流れてるような気がするだけだ」
「電波…？ 理科準備室だからか？」
「そういうのじゃない。……千鶴に電話でもしてみるか」



→この後邪魔が入るフラグしかたたない。しかも良い雰囲気の時に乱入しそう。

※SSL。剣道部。


「ふぁ〜あ」
「総司、先程から欠伸をしているが、昨日はきちんと寝ていないのか」

「寝たよ。人並み程度には」
「ならば何故そのように欠伸ばかりしている」
「朝練だからじゃない？」
「……理由になっていない」
「朝練って朝早いでしょ。いくらちゃんと寝てても、人よりも早く起きてるって思う時点でなんか眠いんだよね」
「……言っている意味が分からないのだが」

「要は、もっと遅くまで寝ていたいってこと」
「総司は剣道が好きだろう。何故、そのようなことを言う」
「好きだけど、朝はゆっくり寝たいって思うのも高校生としては至極真っ当な意見だと思うけど？」
「しっかりと睡眠をとっていれば、欠伸などすることもない。故に朝早くともすっきりとした目覚めが出来る」
「一君さぁ、眠くてあと5分だけ〜とかそういうことないの？」

「ないな」

「言い切っちゃったよ。一君って、休みの日も早く起きたりするの？」
「いつもと同じ時間に起床するが？」
「うわぁ、僕には信じられないよ。まだ来ていない平助が聞いたらきっと人間扱いしてもらえないね」
「俺はれっきとした人間だ」
「僕や平助からすれば人間じゃないってことだよ」
「……意味が分からない」
「僕らからすれば、一君の方が意味が分からないんだけどね」

「……そういえば平助はまだなのか？」

「多分、今頃すっごく慌てて走って来ている途中だと思うよ」
「全く……朝練に来るだけでも良いとすべきなのか、朝練に遅刻することを注意しなくてはいけないのか……」
「どっちでも良いんじゃない？ 思えば僕は朝練には遅刻していないんだから、そこは褒めてもらってもいいんだよ？」
「遅刻をしないのが当たり前だ。別段褒めるべきものではない」
「ちぇー、ケチー」
「ケチで結構。もう5分してこなければ平助に────」

「────遅れてごめん！」

「…遅いぞ、平助」
「ごめんごめん！ 起きたら家出る時間でさー、マジで焦ったし」
「昨日も夜遅くまで起きていたのか？」
「別に、そんなに遅くまで起きてはいなかったぜ。人並み程度には寝てるはずだし」
「ならば何故そのように遅刻を────」

「なんかさー、しっかり寝てても早く起きなきゃって思う時点でなんか眠いんだよなー」

「…………」
「ね？ 僕と似た様なこと言ってるでしょ？ これが普通なんだってば」
「なんのことだよ？」
「平助は人間だってことだよ」
「はぁ？ 意味わかんねぇ」
「分からなくてもいいよ。────あ、そうだ平助」
「んー？」

「休みの日って何時くらいまで朝寝てる？」

「部活なければいくらでも寝てるかな。ゲームで徹夜した日は昼過ぎても爆睡してるし」
「一君はさ、休みの日もいつもと同じ時間に起きてるらしいよ」
「マジかよ！？ 一君、人間じゃねーじゃん！」
「…………」
「ほらね？ 言ったでしょ。平助には人間扱いしてもらえないって」

「一君マジで朝そんなに早く起きてるわけ？ 休みの日ならだらだらしたいとか思うじゃん」
「…朝起きて空気の澄んでる中でのジョギングをしなくてはいけないからな」
「それが終わったらまた寝るとかしちゃってオレ」
「その後は朝食をとって、午前中の間に宿題を────」
「一君、マジ人間じゃねーよ」

「でも、一君だけじゃなくて山崎君もきっと人間じゃないタイプなんだよね」



→許されるなら時間を気にせず何十時間も寝ていたい_(:3　　)｣ ∠)_