「ティールさんにセシルさん、ククールさん」
「やあ、ヴィオラ」
セシルはティールから離れ、ククールやティールと一緒に薪拾いをしていた。
「薪?」
「うん。今日の夕飯は手軽に大勢で食べるのに適した鍋らしいよ」
「へー」
言いながら、ヴィオラも薪拾いを手伝う。
あらかた薪を拾い終わり、カイン達の元に戻る。
***
「ただいまー」
「ああ、おかえり」
セシルのご機嫌声に食材を切りながら答えるカイン。
さすがに大人数分なだけあって、鍋もデカイし、食材の量も半端ない…。
「にしても、すごいなー…上手い…」
「俺とティールは二人暮らしだったからな…料理は慣れてるんだ」
バロンに引き取られた幼いティールを世話したのがカインだったのだ。
それはもう、食事からなんからすべて世話をしていた。
半兵衛の言葉に、返事を返し、よし、出来た。と最後の食材が切り終わったらしい。
ドボドボと鍋のなかに食材投入。
「へぇ〜♪いい匂いだな〜美味そうだな〜♪」
「大人数で食べるには、鍋とかおでんとか、カレーやシチューが適してるんだ」
グツグツと煮込みながら話すカイン。
司馬昭は聞きなれない料理名に首をかしげた。
「かれー?しちゅー??」
「ああ、そうか。この時代じゃ無いらしいな。なんなら、次はカレーにするか?」
「え?マジで?」
「食いたいんだろう?」
すごく興味津々な顔をしていたらしい司馬昭を見てカインは苦笑しながらそう言った。
「ああ。食ってみたい」
「じゃあ決まりだな。カレーも、ぶっちゃけ作るの簡単だから俺としては楽だな」
さて、セシルの準備してくれた焚き火のとこ行くぞ、と鍋をもって移動する。
***
鍋が焚き火にかけられ、食材によく火が通るまでみんなで雑談する。
心配そうにカインはティールに問いかけた。
「ティール、セシルに何もされなかったか?」
「?だいじょぶ…♪」
ティール自身はよく分かってないのか、首を傾げてほわりと微笑んだ。
「そうか」
カインも微笑み、ぽんぽん、と頭を撫でてやるとティールはさらに嬉しそうに笑った。
仲睦まじいカップルをほんわかしながら見ていた一同。
そんな中、セシルが口を開く。
「あ、そうだ。ねえ」
「ん?何?」
セシルの問いかけに半兵衛は首をかしげた。
「君達が今泊まってるのってテント、だよね?」
「てんと?」
言ってる意味が分からないらしい。
半兵衛は首をかしげる。
そんな彼を助けるように、ヴィオラが答えた。
「ですね。テントのような、布でできた部屋みたいな…」
「てんと、というのか。で、それがどうかしたのか?」
頷くヴィオラに、馬超は首をかしげた。
「いや、実は、まだコテージ余ってるからさ、使うかなーって」
「コテージって、あれか?」
セシル達の泊まる小屋を見て首をかしげるジン。
「そう。コテージなら部屋分かれてて、お風呂も付いてるし、洗濯も出来るし…」
「お風呂があるならそれがいいなぁ…」
説明するセシルにヴィオラは賛成の意を示す。
「うん。じゃあコテージ建てるね。…と…いくつ建てたらいい?一応、99個持ってるけど…」
「多っ!!」
セシルの言葉に、ジンの突っ込み。
「それは一つ何部屋?」
「えーっと、一階に三部屋プラス風呂と洗濯、トイレ、炊事場に簡易リビング。二階は四部屋だから…計七部屋かな…」
「てことは、七人は同じコテージでOKってことか…」
ふむ、とヴィオラは考える。
「炊事ってことは、そのこてーじ?でも料理出来るの?」
「一応ね。でもご飯は皆でこうやって外でわいわい食べるから、使うとしたら夜食とかかな?」
半兵衛の言葉に、分かりやすく説明するクロス。
「んー、じゃあ、部屋割りどうしよう?」
「馬超さんたち3人は同じコテージがよくないですか?」
「俺は構わんが…」
ヴィオラの提案に馬超が頷き、他の二人も頷いた。
「ちなみに、セシル様たちはどのような組み合わせで?」
「ああ、僕とクロス、ククールは一人部屋。で、ただ、ティールが一人部屋を怖がっちゃってね…カインが同室だよ」
「カインなら信頼できるからね♪」
ニコニコとクロスはご機嫌だ(笑)
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