2018.7.31 [Tue]
凶弾 2
「すまないが、ちょっと聞きたいことが――」
魔術師の言葉は、出し抜けに飛んできた“凶弾”に遮られた。
彼女が話しかけた黒衣の少女は声もなく打ち倒される。
「くっ……!」
魔術師は拳をきつく握った。
彼女は倒れていなかった。
とっさに無詠唱で発動させた防御魔法が、
敵の遠隔攻撃魔法を食い止めていた。
魔力を緩めると、胸の前の空中に浮かんでいる小さな氷の盾が
ぼろぼろと崩れていく。
「(遠距離からの狙い撃ちか――!)」
攻撃魔法を放ってきた相手は、明確にこちらを狙っていた。
彼女たちがいる所はもう敵陣に近い。
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