僕や君が時計から解放されることは不可能だ。
お互い、社会という時計の歯車に成り下がっている。
歯車がなくなれば時計は狂いだす。
どんなに自分一人で勝手に回っていたいと思っても、周りがそれを許さない。
そのことで同時に安定というものを得ているわけだが、不自由だというのも事実だ。

この世に無駄な歯車なんかないし、その使い道を決められるのは歯車自身だけだ。



容疑者Xの献身より