家へ帰ってきた怪物は今日もまた真っ赤な顔でママのお腹を蹴るんだ。
「俺は正義のヒーローだ」というちんぷんかんぷんな言語に正義の鉄槌を、僕は立ち上がって怪物へパンチを向かわせる。
けどぶっ飛んだのは僕で、いつも通りヒーローは敗北という屈辱なかたちでおわった。
分厚い足によって青い水玉模様を描いてく僕の身体と母の悲鳴によるエンディング曲、こんなエンドロール誰も望んでない。

ちょうど月が真上を超えるころ、ベッドでいびきをかく怪物に包丁の刃先を向け荒い息混じりにこう言うんだ。



僕が正義のヒーローだ