*ハロウィン企画の四作目になります。
*今回は刺々した小骨が多めの魚料理。
*突き詰めたそれは行き場の無い衝動。
*救われない救いようの無い無惨な譚。
【:†シニカルな連続殺人鬼の演出†:】
『続きましては動機と衝動の譚です』
『パンの後は少々刺激的な魚料理を』
『平穏の水面に小石を投げる背徳感』
『様々な小骨が連なった歪な味わい』
『目を背けたくなる欲望は反面教師』
『誰しも胸中の疚しさを否定しつつ』
『何処かで陰惨な娯楽を求めるもの』
『喉に小骨が刺さらぬ様にご注意を』
◇
最近巷を騒がせている確信犯の噺
メディアがスポットを当てている
仮面を付けたままのインタビュー
画面越しの群集の視線を独り占め
つらつらと語られる饒舌に
誰も彼も恐々と耳を傾けた
他人の中に理想を投影したり
自分の中に神様を造形したり
劣等感優越感古今東西な心境は
突き詰めればそれは誇大妄想で
誰の頭にだって大なり小なりは
尻尾の生えた部分は在るものさ
他人の不幸を影で嘲笑って
気に入らなければ否定して
飽きてしまえば芥箱へ投げ捨て
つまらなければ見向きもしない
『それはつまり突き詰めた極論!』
『見えない殺人じゃないのかな?』
『君が殺してるのは一体誰だい?』
『君と僕と一体何が違うんだい?』
シリアルキラーは皮肉に宣言する
不躾な凶器は誰もが持っていると
◇
最近巷を騒がせている殺人犯の噂
画面越し呟かれ炎上を起こしてる
プロファイリングやサイコパスは
所詮物差しにしか為らないのだと
だらだらと続けられる世論
誰も彼も渋々と顔を顰める
社会の中に自己を構築したり
世界の中に化物を投下したり
崇拝中毒服従被加虐略奪使命感
誰しもが必ず持っている欲求で
飼い慣らされた羊を狩る為なら
狼だって白い毛皮を被るものさ
その他大勢の普通を装って
当たり障りも無く近付いて
獲物が逃げないように衝動的に
歪んだ美徳を振り翳して満たす
『これはつまり突き詰めた正論!』
『見え透いた犯行動機なのでは?』
『僕が殺してるのは一体何だい?』
『僕と君との境目は何処だろう?』
シリアルキラーは悲哀を騙り合う
身近な親愛は一番壊れ易いのだと
◇
『さあ、大分お喋りが過ぎた様だ』
『では、そろそろ幕引きにしよう』
暗転の後に現れたのは無味な静寂と
とある殺人鬼が座っていた筈の空席
そして、誰もが予想してなかった
今世紀最大の災厄の劇が開かれた
『連続殺人鬼のインタビューが終わったその日。街には住民たちの血の雨が降った。そうして殺人鬼以外の住人は死に絶えてしまった。詰まるところ簡単な噺だ。『催眠及び暗示による殺害が立証出来ない』昨今の法の下の統治国家は『羊の群れ』そのものだった。それだけの簡単な譚だと、皮肉にも後の紙面に語らることとなった』
◇
『理解と共感とは似て非なるモノです』
『そして時として両者は相容れません』
『禁忌とは倫理と相対するモノであり』
『それ故に互いに惹かれ合う間柄です』
『潔癖と汚濁は同じ平行線上の対極で』
『一歩道を外せば同じ視点に堕ちます』
『人間の心理は怪奇極まる幾何学模様』
『分類はされど同じ法則は有りません』
◇
話題:☆ハロウィーン★2013☆
はい。皆様こんにちは♪
疲れがピークに達するとテンションが高まって漏れ無くバグります燈乃さんです←
今回はハロウィン企画の四幕目(或いは魚料理)です。コースメニューに沿うならばポワソンです。小骨が多いです。焼いても煮ても良いですが、食べる所が少なくて骨が多いです。常識に対する反骨精神の軸なんて唾棄はしても大抵飲み下せる訳がありません。小骨が喉に刺さって抜けない様な不快感がある仕上がりです。だってこれがハロウィン仕様ですから(身も蓋も無い)
そんな訳で。今回の題材は『動機』です。前回は怨念めいていましたが、今回はガッツリ生きている人間が暴れています(爆)
まさに『生きている人間の方が怖い』。
洋ドラマの『クリミナルマインド』が好きで綴り始めた今回の作詩ですが、ドラマを見る度に計り知れない『人間の心の闇』に戦慄してます。救済と破滅は紙一重(悦)
洗脳とか犯罪教唆は罪に問われますが、はてさて暗示は犯罪に関して何処までの信憑性を持つのかが未だに謎です。色々と。
ちなみに、今回の作詩の中に出て来た殺人鬼さんは『サブリミナル効果』を使っています。個人的な考えとしては、暗示で殺人は可能だと思います。飽くまで個人的。
人間は生きることに強かですが、反面物凄く脆い生き物なので。『ブアメードの血』に然り。かの『スタンフォード監獄実験』に然り。そんな感じの今回でした〜♪
ではでは、今回はこの辺で☆
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